著者
好田 由佳 矢澤 郁美 香山 喜彦
出版者
梅花女子大学文化表現学部
雑誌
梅花女子大学文化表現学部紀要 = Baika Women's University Faculty of Cultural and Expression Studies Bulletin (ISSN:24320420)
巻号頁・発行日
no.16, pp.102-108, 2020-03-20

本研究では,フラクタル構造を持つセル・オートマトン(以下,CAという)により生成されたパターンを活用してテキスタイルデザインを作成し,その布を用いたドレス制作によりファッションショーを展開して,フラクタルCAパターンの美的価値と応用の可能性を明らかにした.フラクタルCAパターンは「フラクタル構造を持つセル・オートマトン」に関する研究の成果の一つであるソフトウェア“フラクタルパターンジェネレータ”で生成した.色の選定は「星空」をイメージし,青系統をベースカラー,ピンクとイエローをアクセントカラーとして用い,16値のフラクタルCA(レベル8:512×512 ドット)で9種類の異なるパターンを選定した.それらをテキスタイルに印刷し,アクティブラーニングとして学生が衣装制作に取り組んだ.ドレスのデザインにもフラクタルの特徴である自己相似性を取り入れ,ポスター制作やファッションショーの背景映像にも生成したフラクタルCA パターンを活用した.結果として,様々な分野に応用が期待されるフラクタル理論をファッションデザイン分野にも活用できることが実証できた.
著者
好田 由佳 矢澤 郁美 香山 喜彦
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.60, 2018

<b>目的</b><br> 実践的授業の一環として,ゲームプログラミングを取り入れたゲーム融合型のファッションショーを提案する.従来のファッションを「見(魅)せる」から,デジタルファッションを「楽しむ」コンセプトに拡張する.<br><b>方法</b><br> ハードウェアは,グラフィック機能を強化したWindows PCと,舞台の背景全体に高輝度で映写するために5000ルーメンの明るさを持つプロジェクターを利用した.最大の特徴であるゲームとファッションショーの融合にはマイクロソフトのKinect を用いた.<br><b>結果</b> <br> ゲームプログラミングを活用して自由な背景設定ができることにより,衣装や音楽だけでは表現できないゲーム感覚を味わう楽しさを付与することができ,背景スクリーンに拡大映写することで,客席からも衣装の詳細を確認できる.<br> 結果として,拡張現実によりモデルがスクリーン上で衣装替えをするというゲーム性を付与したことで演出効果を高め,新しい形態のファッションショーを提案することができた.また,kinectは,体感型ゲームに用いるゲームシステムとして開発されたが,人体のジェスチャーを認識する特性を応用して,服飾研究の分野に活用することの可能性を示唆できた.