著者
佐藤 明香 宇賀 麻由 植田 真司 矢野 修也 小川 弘子 三好 智子 難波 志穂子 大塚 文男
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.405-410, 2020-08-25 (Released:2021-03-15)
参考文献数
8

背景 : 本邦の臨床研修病院で研修医メンター制度が導入されてきているが, 制度の詳細や効果については明らかにされていない. 目的 : 当院で運用している研修医メンター制度を紹介し, 2018年度に本制度を利用した研修医 (メンティ) からのメンター制度に対する評価を明らかにする. 方法 : 制度を利用した研修医に無記名のwebアンケート調査を実施した. 結果 : 2018年度採用研修医の78.0% (32名) が本制度を利用した. 調査の回答率は87.5% (28名) で, 制度に対する満足度は高かった. 考察 : 今後はメンターも対象に,より詳細なアンケート調査を実施し, さらなる制度改善へとつなげたい.
著者
佐々木 剛 田澤 大 長谷井 嬢 国定 俊之 吉田 晶 橋本 悠里 矢野 修也 吉田 亮介 宇野 太 香川 俊輔 森本 裕樹 浦田 泰生 藤原 俊義 尾﨑 敏文
出版者
岡山医学会
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.124, no.2, pp.105-110, 2012-08-01 (Released:2012-09-03)
参考文献数
15

骨・軟部肉腫は, 一部に治療抵抗性で予後の悪い症例が存在するため, 新たな治療法の確立が重要な課題である. 我々は, 5型アデノウイルスを基本骨格として, テロメラーゼ活性に依存して増殖する腫瘍融解ウイルス(OBP-301)や, coxsackie and adenovirus receptor(CAR)陰性の腫瘍細胞に感染するファイバー改変型ウイルス(OBP-405)を用い, 骨・軟部肉腫細胞に対する抗腫瘍効果を検討した. 14種類の骨・軟部肉腫細胞株に対してOBP-301の細胞障害活性を検討し, 12種類の細胞株でOBP-301に感受性を認めた. また, OBP-301の細胞障害活性はCARの発現と相関していた. さらに, テロメラーゼ活性の低い細胞に対しても, 5型アデノウイルスの複製に必須のE1Aによりテロメラーゼ活性の増強効果がおこり, 強い抗腫瘍活性を示すことを明らかにした. 次に, 骨肉腫脛骨同所性移植動物モデルを作成しOBP-301を投与したところ, OBP-301投与群では対象群と比べて有意に腫瘍増殖を抑制した. 最後に, OBP-301に感受性を認めなかったCAR陰性細胞株に対してOBP-405を用いて検討し, OBP-405が有効に作用することを確認した. OBP-301やOBP-405を用いたウイルス療法は, 骨・軟部肉腫に対する新たな治療法となる可能性がある.