著者
浦山 文隆 渡辺 吉男 矢野 敬一 馬場 尚子
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.25-30, 2007 (Released:2007-07-24)
参考文献数
8
被引用文献数
3 3

太陽観測衛星「ひので」可視光望遠鏡には分子状コンタミネーション付着にセンシティブな光学系が搭載されている.これら付着は,望遠鏡内部に使用されている有機材料からのアウトガスにより生じる.「ひので」は日本時間2006年9月23日に打ち上げられ,同年10月25日から可視光望遠鏡による太陽観測が開始された.観測開始から約2カ月の間,光学系の一つである排熱鏡近傍の温度が急上昇した.この原因として,コンタミネーションが排熱鏡に付着し,排熱鏡の太陽光吸収率が増加した可能性が高いことが判った.また,フライト前に実施した数値解析結果と比較したところ,主鏡及び副鏡での太陽光吸収率変化Δαs計算値は温度データからのΔαs概算値に傾向が概ね一致した.しかしながら,排熱鏡でのΔαs計算値は温度データからのΔαs概算値を下回った.数値解析においては,材料表面からのコンタミネーションの脱着効果,汚染源となる材料の急激な温度上昇を考慮する必要があることが判った.
著者
高木 史人 矢野 敬一 立石 展大 蔦尾 和宏 伊藤 利明 生野 金三 浮田 真弓
出版者
関西福祉科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

平成29年度は当該研究の2年目として、平成28年度に行ったシンポジウムの成果を活かして、さらなる研究の深化を期した。具体的には国語科の文部科学省検定済教科用図書及びその教師用指導書に徴して、「伝統文化」教材の扱われ方と指導書における指導法への言及の分析を進めた。なお、平成29年告示の『小学校学習指導要領』では、従来の学習指導要領における国語科の「3領域及び1事項」という区分が見直された。従来の1事項が〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕であったものが、今次の学習指導要領では大きく〔知識及び技能〕〔思考力、判断力、表現力等〕〔学びに向かう力、人間性等〕の3本の柱が立てられ、その中の〔知識及び技能〕が「(1)言葉の特徴や使い方に関する事項」「(2)情報の扱い方に関する事項」「(3)我が国の言語文化に関する事項」に分かたれ、その(3)が従来の〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕の前半「伝統的な言語文化」部分に相当するものと見られる。この間の学習指導要領の推移、変化の分析に多くの努力を行った。これらは生野金三・香田健児・湯川雅紀・高木史人編『幼稚園・小学校教育の理論と指導法』(平成30年2月、鼎書房刊、206ページ)にまとめられた。また、高木は「社会的・共=競演的でひろい悟り」へのアプローチ―小学校教育史、国語科教育史との係わりから―」(『口承文芸研究』第41号、平成30年3月、日本口承文芸学会刊)において平成29年12月に行った科研費メンバーによるシンポジウムの概略を紹介しつつ、現行の伝統文化教育の根拠となっている平成18年改教育基本法第2条第5項の淵源が、昭和16年3月改正の小学校令第1条第3項にあることに触れて、日本の長い教育史の中ではこれは伝統的でなったことと結論づけた。伝統という語じたいが昭和初期の流行りであった。