著者
平原 友紀 矢野 興一 星野 卓二
出版者
日本植物分類学会
雑誌
分類 (ISSN:13466852)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.23-30, 2007-02-20 (Released:2017-03-25)
参考文献数
21

ビャッコイ(Isolepis crassiuscula Hook, f.)は日本とインドネシア,パプアニューギニア,オーストラリア,ニュージーランドに分布することが報告されている.日本では福島県白河市のみに生育しており,絶滅危惧種(IB)に指定されている.本研究では日本産ビャッコイの染色体と葉緑体遺伝子の解析を行った.その結果,ビャッコイの染色体数は2n=96であり,今までに報告されたビャッコイ属の他種よりも高次の染色体数を持つことが明らかになった.また,ビャッコイ属10種について葉緑体rbcL遺伝子とtrnL intron傾城の比較を行なった結果,日本産ビャッコイは同属9種よりも,オーストラリア産ビャッコイと相同性が高いことが明らかになった.
著者
池田 博 岩坪 美兼 矢野 興一 高山 浩司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

著しい種内倍数性を示すオミナエシ科オトコエシについて、細胞学的、系統地理学的解析を行った。日本および韓国で収集した試料を解析した結果、2倍体 (2n=22)から12倍体 (2n=132) まで連続した倍数体系列が認められ、遺伝的には 1) 九州西部から韓国に分布する系統 (2n=22)、2) 北海道から滋賀県まで分布する東日本系統 (2n=44)、3) 近畿地方から九州まで分布する西日本系統 (2n=66~132) の大きく3つのグループに分けられることが明らかになった。また、オトコエシとオミナエシの雑種とされてきた「オトコオミナエシ」は、オトコエシの種内倍数体間の交雑に由来すると考えられた。
著者
平原 友紀 矢野 興一 星野 卓二
出版者
日本植物分類学会
雑誌
日本植物分類学会誌 (ISSN:13466852)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.23-30, 2007
参考文献数
21
被引用文献数
1

ビャッコイ(Isolepis crassiuscula Hook, f.)は日本とインドネシア,パプアニューギニア,オーストラリア,ニュージーランドに分布することが報告されている.日本では福島県白河市のみに生育しており,絶滅危惧種(IB)に指定されている.本研究では日本産ビャッコイの染色体と葉緑体遺伝子の解析を行った.その結果,ビャッコイの染色体数は2n=96であり,今までに報告されたビャッコイ属の他種よりも高次の染色体数を持つことが明らかになった.また,ビャッコイ属10種について葉緑体rbcL遺伝子とtrnL intron傾城の比較を行なった結果,日本産ビャッコイは同属9種よりも,オーストラリア産ビャッコイと相同性が高いことが明らかになった.