著者
矢野 邦夫
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.25-32, 2006-06-25
参考文献数
20
被引用文献数
2

最近、各医療施設において栄養サポートチーム(NST)や院内感染対策チーム(ICT)が活発に活動している。これらの対策チームは一見関連性が薄いと思われがちであるが、院内感染対策においてはNSTが重要な役目を果たしている。NST活動によって、中心静脈カテーテルのような感染性合併症を頻回に引き起こす医療器具の使用頻度を減らすことができれば、当然のことながらカテーテル関連感染症を低減できる。また、MRSA感染症のような抵抗力が低下した人に発生する疾患の患者の栄養状態を改善させれば、抵抗力の向上によって感染症がコントロールされる。このように、NSTとICTは強く関連しているので、両者の連携が重要である。
著者
矢野 邦夫 浦野 美恵子 鈴木 ノブエ 橋爪 一光
出版者
日本環境感染学会
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.178-182, 2000-05-18
参考文献数
23

近年, 国内において医療施設や高齢者施設における結核の集団感染が報告され, 結核は再興感染症として再び認識されてきた.米国においても同様で, 多剤耐性結核の報告が相次ぎ, 特にHIV感染者用住居施設, 高齢者施設, 刑務所における結核対策の重要性が指摘されている.これらを背景に, CDC (米国疾病管理センター) は数多くの結核関連ガイドラインや勧告を公開しているが, サーベイランスの基本となるツベルクリン反応陽性について日米の基準が異なっているため, 彼らの優れた資料をそのまま日本における病院感染対策に導入できない.具体的には, 日本においてツベルクリン反応は発赤の大きさによって測定されているが, CDCは硬結の測定で行うように指導しており, 発赤を測定していない.また, ブースター現象の確認の必要性が叫ばれているが, BCGを基本的な結核予防策として取り入れていない米国におけるブースター現象のデータを, そのまま日本における対策に持ち込むことはできない.今回, 我々はCDCのガイドラインおよび勧告に従ってツベルクリン反応を施行し, CDCの結核対策に従って日本の医療従事者にツベルクリン反応を施行した場合の問題点を明確にした.
著者
矢野邦夫著
出版者
リーダムハウス
巻号頁・発行日
2013