著者
松本 哲 義久 智樹 川上 朋也 石 芳正 寺西 裕一
雑誌
第24回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.199-201, 2016-10-12

近年,USTREAM やツイキャスといった,個人がインターネットを介してリアルタイムな映像配信を行えるインター ネットライブ放送サービスが普及している.我々の研究グループでは,異世界放送システムと呼ぶ,分散型映像処理を用いたインターネットライブ放送システムを研究開発している.異世界放送システムでは,計算能力の高い映像処理サーバを用いることで,映像処理にかかる時間を短縮しつつ,映像データを配信できる.インターネットライブ放送では,放送禁止区域に入ると画面を黒くする,放送者以外が写っていればモザイクをかける,といった放送者の意図に応じた映像処理を行うことがある.これらの映像処理を自動的に行うことで放送者の操作回数を削減できるが,これまでの異世界放送システムでは,放送開始前に設定された映像処理を放送者や視聴者の指示に従って付加することしかできなかった.そこで本研究では,放送者の意図に応じて柔軟に自動的に映像処理を行える異世界放送システムのための映像処理ルール記述方式を提案する.提案方式では,映像処理を行うタイミングと条件をルール形式で記述することで,柔軟かつ自動的な映像処理の実現を目指す.
著者
石 芳正 川上 朋也 義久 智樹 寺西 裕一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.707-720, 2014-02-15

ライブカメラや環境モニタリングなどの用途によるセンサの普及にともない,観測データが連続的に流れるセンサデータストリームの配信に対する注目が高まっている.その中でも,複数の配信先がそれぞれ異なる周期によるセンサデータ収集を要求する環境において,Peer-to-Peer技術を用いて配信先の通信負荷を分散するPeer-to-Peer型センサデータストリーム配信手法としてLCF法やLLF法が提案されている.しかしながら,これらの提案では主にシミュレーションに基づく評価のみが行われており,実環境における有効性は未知数であった.本稿では,当該手法に基づくセンサデータストリーム配信システムの設計と実装について述べ,情報通信研究機構が提供しているPIAXテストベッドを用いた実機評価について記す.Due to the prevalence of sensors such as security cameras or environmental sensors, sensor data stream delivery which means delivering the sensor data every cyclic collection attracts great attention. For sensor data stream delivery, various methods to distribute communication loads in the case of delivering the same sensor data streams to multiple clients have been studied. Some methods which are considered in the case of delivering the sensor data stream that have different data collection cycles are proposed. Although these methods did not evaluate the system performance of distribution delay, jitter, etc. In this paper, we evaluated the Peer-to-Peer streaming system using the PIAX test bed which NICT provides.