著者
義久 智樹 原 隆浩
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.898-907, 2017-04-15

センサなどのモノがインターネットに接続される流行は,IoT(Internet of Things)と呼ばれ,近年非常に注目されている.これらのモノから継続的に発生するデータを入力として,あらかじめ登録された問合せ(連続問合せ)を実行するストリーミング処理技術が研究されている.これらの研究では,データが入力されてから連続問合せの結果を得るまでのストリーミング処理にかかる時間を短縮している.近年のIoT環境の普及により,高頻度なデータの発生源が分散してインターネットに接続されており,さらなるストリーミング処理時間の短縮が求められている.そこで本研究では,IoT環境におけるストリーミング処理時間短縮手法を提案する.提案手法では,センサが接続された処理サーバが分散していると想定したうえで,各連続問合せを個別に処理できるいくつかの部分条件に分割してストリーミング処理を行う.評価の結果,提案手法は従来手法よりも最大通信ホップ数と平均通信量を削減でき,ストリーミング処理時間を短縮できることを確認した.
著者
小林 靖明 川上 朋也 松本 哲 義久 智樹 寺西 裕一 下條 真司
雑誌
第28回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
pp.238-241, 2020-11-04

現在,VRChat やどうぶつの森などのアバターを使ってコミュニケーションをとるコンテンツが普及しつつある.アバターに関しての研究はすでに行われているがそのどれもが自己に関係したアバターの研究であり,他己に関係したアバターの研究はあまりなされていない.アバターは自己表現の一種であるとともにコミュニケーションコンテンツではコミュニケーションツールの一種ともとれる.このことからコミュニケーションに対して良いとできるアバターの存在を調査する.
著者
義久 智樹 金澤 正憲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.3296-3307, 2006-12-15
参考文献数
13
被引用文献数
8

近年のデジタル放送の普及にともない,音声や映像といった連続メディアデータの放送型配信において,ユーザがコンテンツを選択して視聴する選択型コンテンツに対する注目が高まっている.たとえば,2 択クイズ番組で,ユーザが回答を選択し,その回答に対する映像を視聴するといったことが考えられる.サーバは,ユーザの嗜好に応じた番組を提供できるが,選択肢となるいくつかのコンテンツを同時に放送するため,途切れのない再生に必要な帯域幅が大きくなる.しかし,コンテンツの視聴順序を考慮して効率的にスケジューリングして放送することで,必要な帯域幅を削減できる.本稿では,選択型コンテンツの放送配信において,帯域幅削減のためのスケジューリング手法を提案する.提案手法では,選択型コンテンツの状態遷移グラフから放送スケジュールを作成することで,途切れのない再生に必要な帯域幅を削減する.Due to the recent popularization of digital broadcasting systems, selective contents, i.e., users watch their selected contents, have attracted great attention. For example, in a quiz program, a user selects his answer and watch the video content againt the answer. Although the server can deliver programs according to users' preference, the necessary bandwidth to play contents without any interruption gets larger because the server has to broadcast several selective contents concurrently. However, by scheduling them effectively considering the order of contents and broadcasting them, the necessary bandwidth can be reduced. In this paper, we propose a scheduling method for broadcasting selective contents. In our proposed method, by producing a broadcast schedule from a state transition graph, the necessary bandwidth is reduced.
著者
松本 哲 義久 智樹 川上 朋也 石 芳正 寺西 裕一
雑誌
第24回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.199-201, 2016-10-12

近年,USTREAM やツイキャスといった,個人がインターネットを介してリアルタイムな映像配信を行えるインター ネットライブ放送サービスが普及している.我々の研究グループでは,異世界放送システムと呼ぶ,分散型映像処理を用いたインターネットライブ放送システムを研究開発している.異世界放送システムでは,計算能力の高い映像処理サーバを用いることで,映像処理にかかる時間を短縮しつつ,映像データを配信できる.インターネットライブ放送では,放送禁止区域に入ると画面を黒くする,放送者以外が写っていればモザイクをかける,といった放送者の意図に応じた映像処理を行うことがある.これらの映像処理を自動的に行うことで放送者の操作回数を削減できるが,これまでの異世界放送システムでは,放送開始前に設定された映像処理を放送者や視聴者の指示に従って付加することしかできなかった.そこで本研究では,放送者の意図に応じて柔軟に自動的に映像処理を行える異世界放送システムのための映像処理ルール記述方式を提案する.提案方式では,映像処理を行うタイミングと条件をルール形式で記述することで,柔軟かつ自動的な映像処理の実現を目指す.
著者
塚本 昌彦 寺田 努 義久 智樹
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ユビキタスコンピューティング環境において多数のユビキタスデバイスによる群コンピューティングを実現することを目標として、環境内に数百から数千個規模のユビキタスデバイスが存在するときに、デバイス全体を対象としたマクロなプログラミングを行えるような方式を確立した。複数のLEDマトリックス上で光パターンをエディットする方法、グローバル通信とローカル通信を組み合わせてトポロジを構築していく方法などを開発した。さらにプログラム方式としては、ルールベースやプログラム変換、モバイルエージェントなどの枠組みを考えた。
著者
後藤 佑介 谷口 秀夫 義久 智樹 江原 康生 大平 健司
出版者
岡山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

近年のインターネットの普及にともない,音声や映像といった動画データを IP ネットワーク上で配信する放送型配信の研究が盛んに行われている.放送型配信では,使用できる帯域幅や許容されるコンテンツ間の待ち時間を考慮してコンテンツの配信をスケジューリングすることで,待ち時間をさらに短縮できる.本研究では,分割放送型ストリーミング配信において,データ再生中の待ち時間を短縮するスケジューリング手法を提案する.提案手法では,コンテンツを連続的に変化するデータと変化しないデータに分け,コンテンツ間で発生する待ち時間に上限を設定してコンテンツを効率的にスケジューリングすることで待ち時間を短縮する.
著者
石 芳正 川上 朋也 義久 智樹 寺西 裕一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.707-720, 2014-02-15

ライブカメラや環境モニタリングなどの用途によるセンサの普及にともない,観測データが連続的に流れるセンサデータストリームの配信に対する注目が高まっている.その中でも,複数の配信先がそれぞれ異なる周期によるセンサデータ収集を要求する環境において,Peer-to-Peer技術を用いて配信先の通信負荷を分散するPeer-to-Peer型センサデータストリーム配信手法としてLCF法やLLF法が提案されている.しかしながら,これらの提案では主にシミュレーションに基づく評価のみが行われており,実環境における有効性は未知数であった.本稿では,当該手法に基づくセンサデータストリーム配信システムの設計と実装について述べ,情報通信研究機構が提供しているPIAXテストベッドを用いた実機評価について記す.Due to the prevalence of sensors such as security cameras or environmental sensors, sensor data stream delivery which means delivering the sensor data every cyclic collection attracts great attention. For sensor data stream delivery, various methods to distribute communication loads in the case of delivering the same sensor data streams to multiple clients have been studied. Some methods which are considered in the case of delivering the sensor data stream that have different data collection cycles are proposed. Although these methods did not evaluate the system performance of distribution delay, jitter, etc. In this paper, we evaluated the Peer-to-Peer streaming system using the PIAX test bed which NICT provides.
著者
塚本 昌彦 寺田 努 義久 智樹 義久 智樹
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、実世界に多数散らばるユビキタスデバイスをそれらのトポロジを用いてプログラミングする(群コンピューティング)枠組みを構築した。特に、ネットワークのトポロジを用いてうまくコーディングしていくこと(トポロジコーディング)を考えた。まず最初に、格子状のネットワーク上でグローバル通信とローカル通信を組み合わせて全体制御をする枠組みGlocalGridを設計し、デバイス、システムを実装した。さらに、主としてセンシングデータ収集を行うことを想定して、さまざまな効率的なアルゴリズムを検討した。応用分野としてはダンス、演劇、スポーツなどのアート・エンターテインメント分野を考え、システム展開を図った。
著者
塚本 昌彦 義久 智樹
出版者
神戸大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

近年モバイルコンテンツが急激に増え、人々は携帯電話などを用いてアウトドアでメールやWebなどのコンテンツを利用するようになってきている。本研究では、このような状況を支援するため、アウトドアでウェアラブルな入出力デバイスを用いて大量の情報の操作を行うためのインタフェースを開発している。本年度は昨年度開発したシステムやテストの結果から得られた各システムに対するニーズや問題点などのフィードバックをもとに、今までのシステムを統合したルール処理エンジンを作成した。また、このルール処理エンジンを組み込んだマルチモード型デバイスの試作も行った。さらにマルチモードデバイスを用いた様々な状況依存型の入力方法について検討し、いくつかのシステムを構築した。両手に加速度センサをつけて角度でポインティングを行うXANGLEや、ボタンの押下時間を利用して少数のボタンに多数の機能を割り当てる方式、アナログジョイスティックと多層パイメニューを用いる方式、フットステップの動きを用いる方式など、さまざまな状況下で有効に活用できるような手法を実現し、検証を行っている。本研究に関して、本年度は論文1編と国際会議3編、国内研究会等6編の研究成果が出ている。現在さらに何編かの論文をまとめ、投稿中となっている。この分野は、今後、ユビキタス社会が進展するに伴い、ますます重要となる分野であるため、本研究で生み出された手法が実際に世の中で有効に活用されるようになる日は近いうちに必ず来るものと考えられる。
著者
北島 信哉 原 隆浩 寺田 努 義久 智樹 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.88, pp.103-108, 2008-09-14

近年,サーバが PDA やスマートフォンなどのモバイル端末にデータベースの内容を周期的に放送する放送型データベースシステムが注目されている.放送型データベースシステムにおける問合せ処理手法としては,オンデマンド型方式,クライアント型方式,協調型方式の 3 方式が考えられる.これらの方式は電力消費に差があり,また,モバイル端末では利用できる電力に限りがある.そこで本稿では,モバイル端末を用いた実機評価により消費電力の特性を明らかにする.さらに,モバイル端末の電力残量を考慮し, 3 方式の中から動的に処理方式を選択する手法を提案する.In recent years, there has been an increasing interest in a broadcast database system where the server periodically broadcasts contents of a database to mobile clients such as PDAs and smartphones. There are three query processing methods in the broadcast database system. Generally, mobile clients have limits in power consumption, i.e., battery, and each of the three methods consumes different amount of power for query processing. In this paper, we reveal the characteristics of power consumption by conducting a preliminary experiment on the implemented prototype, then propose a new query processing method which dynamically chooses a query processing method among the three query processing methods considering energy consumption.