著者
野村 俊昭 石井 六哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.68, pp.39-46, 1995-05-26
被引用文献数
1

本論文では,快音・不快音の特徴を解明するため,パワースペクトルに着目し9種類の自然音について解析を行った。解析は,始めに各対象音を一定のフレーム長で切り出してパワースペクトルを算出した。次に求めたパワースペクトルについて1次と2次の関数による近似を行い,近似関数の係数をパラメータとした。各音のパラメータを比較した結果,パワースペクトルの4kHz〜20kHzの帯域を2次関数での近似を行うと,快音は2次の係数が負,負快音は正になる。またパワースペクトルがピークに達してからの減衰の傾斜が,快音は緩やかな傾斜から10kHzを越えて急峻な傾斜となる。これに対し不快音は快音の急峻な傾斜に比べ緩やかな傾斜で減衰し高域にホワイトノイズ的成分を持つことが分かった。
著者
三留 綾 市毛 弘一 石井 六哉
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J89-D, no.6, pp.1369-1378, 2006-06-01

本論文では,人の直観性を伴った新たなユーザインタフェースとして,グローブやマーカ等の特殊な装置を必要としない簡単なハードウェア構成で手指形状を認識する手法を提案する.提案する認識手法は,手領域抽出部と手指形状認識部から構成される.手領域抽出部では,撮影する背景の制限を削減するために,背景がグレースケールの場合とカラーの場合の2パターンに分け,それぞれに対応したアルゴリズムにより手領域を抽出する.手指形状認識部では,抽出した手領域の画像を詳細に解析することにより,10種類の手指形状を認識する.入力する手の角度や腕の領域を制限せず,更に指同士が接している場合においても認識が可能になるようなアルゴリズムを提案する.提案手法により,背景がグレースケールの場合は10種類の手指形状を95.8%の精度で,背景がカラーの場合は同じく10種類の手指形状を93.3%の精度で認識している.また,これらの処理に要する時間は汎用コンピュータで数十 msであり,極めて短い時間であることを確認している.