著者
名児耶 厚 石川 慎也 小野 裕次郎 市野 学
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.3-13, 2007-07-25

近年,少子化・出生率低下を背景とした大学入学者数の減少により,学生募集が困難な大学が出始めている.そのため,既存大学の現状を分析することは,今後の大学の改革や他大学との差別化という意味においても大変重要と考えられる.そこで我々は,大学案内に掲載されている大学の情報から既存大学の分類や特徴付け等の解析を通して大学の現状の分析を試みた.その結果,データをそのまま解析するよりも,いくつかの条件によって分類した上で解析を行うべき,という結果が得られた.さらに,その分類に従って再度解析を進めたところ,隠れていた類似性を検出することができた.本稿における解析対象は関東地区,かつデータを入手可能な大学に限られるが,大学の今後を考えていくにあたって有用な情報が得られたと確信している.
著者
藪田 慎司 中田 兼介 千嶋 淳 藤井 啓 石川 慎也 刈屋 達也 川島 美生 小林 万里 小林 由美
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.195-208, 2010-12-30

哺乳類の生態や行動に関する野外調査には,しばしば複数の調査者の協力が必要となる.多くの哺乳類は寿命が長く行動範囲が広いからである.このようなチーム研究を維持するには,各メンバーのデータを集約保存し,メンバー全員で共有するシステムが必要である.本論文では,ゼニガタアザラシ(<i>Phoca vitulina stejnegeri</i>)の個体識別調査を支援するために開発したシステムについて報告する.このシステムは2つのデータベースからなる.野外で撮影された写真を管理する写真データベースと,識別された個体についての情報や観察記録を管理する個体データベースである.システムはインターネット上に置かれ,メンバーは,どこからでも新しいデータを登録でき,また登録済みデータを研究のため利用することができる.近い将来,本システムは以下のような研究に貢献すると期待される.上陸場間の移動行動の研究,生活史パラメーター(齢別死亡率,出産間隔等)の推定,個体数の推定,社会構造の研究,等である.<br>