著者
石田 惣 中田 兼介 西 浩孝 藪田 慎司
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.334-344, 2019-06-24 (Released:2019-08-30)
参考文献数
30

生物研究者が撮影した動画を収集し、利用公開するアーカイブを運用する上で起こり得る課題を抽出するため、アーカイブに対する研究者のニーズ、対象データの潜在量や記録媒体、データ提供者が認容できる利用条件等について研究者にアンケート調査を行った。教育目的での利用可能性には提供者・利用者双方の立場のニーズがある。課題として、・デジタル化により増大する動画量への対応、・レガシー媒体への対応、・ウェブ公開や営利利用、目的を問わない利用に提供者側の抵抗感があり、アーカイブやオープンサイエンスの意義について理解を求める必要性、・データの利用時の編集の是非、・データのウェブ公開可否の判断基準、等が見出された。
著者
木村 大治 藪田 慎司
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は以下のように,5回の研究会をおこなった。■通算第7回目:2017年5月29日・藤田翔 産業社会における人と動物(豚)との関係 ・花村俊吉 合宿のまとめと報告:「規則性=ありえなさ」のアブダクションとしての挨拶から制度化されたヒトの挨拶まで ・藪田慎司 「挨拶」研究は何を目指すか:何に答えたいか ・参加者全員によるブレインストーミング 合宿(2017年3月19-20日)の議論の整理と展開 ■通算第8回目:2017年7月31日 ・坂井田瑠衣 相互行為基盤としての身体 ・幸田瑞希 共在状態における相互行為のダイナミズム ・居關友里子 別れの場面における言語的な挨拶 ■通算第9回目:2017年11月26日 ・参加者全員によるブレインストーミング KJ法を用いて成果本の構想を練る ■通算第10回目(第2回出会い×宇宙人類合同研究会):2018年2月15日 ・岩谷洋史 「見えないもの」をなんとかして見えるようにするための工夫:日本酒の製造現場における事例から■通算第11回目:2018年2月22日 ・木村大治 ヒト・動物・地球外生命体の出会いと挨拶:成果本に向けて ・花村俊吉 KJ法のまとめと報告:二つの時間軸からみた出会いと挨拶の初発と反復 ・参加者全員によるブレインストーミング 成果本の構想を詰めるこれらの研究会で,出会いと挨拶に関する具体的な事例をもとに,それをどのように分析,解釈するかについての討論をおこない,成果本のまとめに向けて構想を練った。
著者
石田 惣 藪田 慎司 中田 兼介 中条 武司 佐久間 大輔 西 浩孝
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

自然史博物館が動画資料を体系的に収集・公開するしくみがあれば、公共財としての研究・教育資源になる。本研究では動画を収蔵資料とするための課題を抽出し、その解決策を探り、収蔵モデルを構築した。主な課題は寄贈者が受け入れやすい利用許諾条件と、資料の安全な保管である。そこで、寄贈される資料に他の博物館も同一条件で利用できるサブライセンスを設定し、他館と複製を共有するしくみを考えた。これにより、多くの寄贈者が認容する教育目的の利用機会が増えるとともに、資料の分散保管が実現できる。この枠組みに基づき、メタデータセットやウェブ公開時のチェック項目等を設定して、動画資料データベースを作成した。
著者
藪田 慎司 中田 兼介 千嶋 淳 藤井 啓 石川 慎也 刈屋 達也 川島 美生 小林 万里 小林 由美
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.195-208, 2010-12-30

哺乳類の生態や行動に関する野外調査には,しばしば複数の調査者の協力が必要となる.多くの哺乳類は寿命が長く行動範囲が広いからである.このようなチーム研究を維持するには,各メンバーのデータを集約保存し,メンバー全員で共有するシステムが必要である.本論文では,ゼニガタアザラシ(<i>Phoca vitulina stejnegeri</i>)の個体識別調査を支援するために開発したシステムについて報告する.このシステムは2つのデータベースからなる.野外で撮影された写真を管理する写真データベースと,識別された個体についての情報や観察記録を管理する個体データベースである.システムはインターネット上に置かれ,メンバーは,どこからでも新しいデータを登録でき,また登録済みデータを研究のため利用することができる.近い将来,本システムは以下のような研究に貢献すると期待される.上陸場間の移動行動の研究,生活史パラメーター(齢別死亡率,出産間隔等)の推定,個体数の推定,社会構造の研究,等である.<br>
著者
中田 兼介 藪田 慎司
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.166-173, 2006-08-31
被引用文献数
4

自然教育の目的の一つは、子供たちに自分の身の回りの自然を好きになってもらう事である。動物の行動は人間の行動と機能的、外形的に共通する部分が多く、子供たちを自然の中で振る舞う動物を観察するよう導く事は、自然への親近感・共感を引きだす事に通じ、自然教育の目的に適うものである。そして、動画資料を使用する事で自然教育における行動観察の効果がより高められるだろう。動画を事前学習で使えば、子供たちの観察に対するモチベーションやセンスを高める事ができる。自然観察の最中では、人の目ではなかなか見る事のできない現象を見せる事ができる。そして動画撮影を行なう事を目的とする事で、観察会を一過性のイベントに終わらせる事なく、後の議論や成果発表に繋げて行く事ができる。一方、動物を扱うフィールド生物学者はしばしば研究対象を動画に撮影する。このような動画資料を研究者が持ちより、広く利用できるように公開すれば、自然教育の現場を支援すると言う意味で重要な貢献になるだろう。筆者たちを含む有志のグループは、このように考え2003年からインターネット上で「動物行動の映像データベース」(http://www.momo-p.com)というウェブサイトを立ち上げて運営している。このサイトには研究者と教育関係者を含む一般の利用者とを繋ぐ様々な機能が用意されており、研究者は特に教育関係者の事を考慮せずとも、自ら所有する動画資料をインターネットに接続されたコンピュータから登録するだけでよいのである。