著者
石川 直樹
出版者
広島市立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2017-08-25

大規模アンテナアレイシステムにおいて、高い送信レートを維持したまま非同期検出を可能とする差動符号化方式について研究した。平成29年度の成果は計5本の論文として国際論文誌に投稿した。現在3本が採録判定となっており、すべて国際共著論文である。採録された3本の成果について概要を以下に記す。[成果1] 差動符号化方式一般の制限付き通信路容量を導出[成果2] 拡大体に基づく非直交差動空間変調を提案[成果3] 関連研究すべてを網羅するチュートリアル論文を発表[成果1]ではこれまで明らかにされてこなかった差動符号化方式の制限付き通信路容量を導出した。送信信号の位相に制限を加え、送信機の簡易化および検出器の高速化を実現した。[成果2]では申請者らが提案してきた差動空間変調を拡張し、複数系列の独立処理が可能となる軽量検出器を提案した。直前の受信信号を蓄えて送信シンボル検出に活用する点が特徴的である。[成果3]では同分野の研究者が申請者らの提案方式を理解し、シミュレーション結果を容易に再現可能とするチュートリアル論文を発表した。これは申請者の博士論文に基づくものであるが、本研究課題の現時点での成果を全て含めて紹介している。関連して、国内において招待講演の機会を賜われたので、空間変調の変遷と応用例について計2件の発表を行った。また、関連研究の査読を積極的に引き受け、IEEE Transactions on Communicationsの模範的査読者(exemplary reviewer)として認定された。
著者
石橋 正己 荒井 緑 當銘 一文 石川 直樹
出版者
千葉大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

天然物抽出エキスコレクションおよび天然物基盤合成化合物ライブラリーを用いて,ウィント(Wnt),ヘッジホッグ(Hh),トレイル(TRAIL),bHLH転写因子等のシグナル分子を標的とした天然物の探索および活性化合物の作用メカニズムの解析に関する研究を行った.各シグナル経路ごとにスクリーニングで得られた代表的な化合物として,Wntシグナル阻害作用をもつカルデノリド,TRAIL耐性克服作用をもつクワ科植物由来のプレニル化フラボン,Hhシグナル阻害作用をもつジテルペン,Hes1担持ビーズを用いる「標的タンパク質指向型天然物単離法」により得られた放線菌由来のピペリジンアルカロイドなどが挙げられる.