著者
上田 実 入江 一浩 渡邉 秀典 品田 哲郎 小林 資正 叶 直樹 岡本 隆一 松永 茂樹 井本 正哉 半田 宏 渡辺 肇 佐々木 誠 木越 英夫 西川 俊夫 石橋 正己
出版者
東北大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

共同研究による本学術領域の推進により、多くの天然物の標的決定が行われた。これは、天然物化学者と生物学者の共同研究によって、ビーズテクノロジーの天然物への応用が拡大したこと、ならびに数多くの標的同定法が試行されたためである。これらの成果によって、多くの天然物が種標的と同時に複数のオフターゲットと結合することが明らかになった。天然物リガンドは、従前の理解のように、生体内において「鍵と鍵穴」の様に極めて特異性の高い作用機構を持つのではなく、生体内で「鍵束」のように機能し、複数の錠前と相互作用することを示している。本領域の研究成果によって、天然物リガンドの作用に関する理解は大きく変化したと言える。
著者
石橋 正己 荒井 緑 當銘 一文 石川 直樹
出版者
千葉大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

天然物抽出エキスコレクションおよび天然物基盤合成化合物ライブラリーを用いて,ウィント(Wnt),ヘッジホッグ(Hh),トレイル(TRAIL),bHLH転写因子等のシグナル分子を標的とした天然物の探索および活性化合物の作用メカニズムの解析に関する研究を行った.各シグナル経路ごとにスクリーニングで得られた代表的な化合物として,Wntシグナル阻害作用をもつカルデノリド,TRAIL耐性克服作用をもつクワ科植物由来のプレニル化フラボン,Hhシグナル阻害作用をもつジテルペン,Hes1担持ビーズを用いる「標的タンパク質指向型天然物単離法」により得られた放線菌由来のピペリジンアルカロイドなどが挙げられる.
著者
石橋 正己 荒井 緑 大崎 愛弓 大槻 崇 當銘 一文
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

平成20年から23年にかけて研究代表者は毎年バングラデシュを訪問し,熱帯植物を中心にバングラデシュ天然薬用資源の調査を行った.その結果,現地特有の植物種や現地で栽培された薬用植物を中心に約200種以上の植物種を収集した.得られた植物エキスに対して種々のシグナル伝達経路(ウィント,ヘッジホッグ,トレイルシグナル等)に対するスクリーニング試験を行い,選別された植物エキスより数多くの新規生物活性天然物を単離した.