著者
石川 義宗
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.2_19-2_28, 2023-09-30 (Released:2023-10-25)
参考文献数
50

本稿の⽬的は我が国のインダストリアルデザインの理論的特徴を明らかにすることである。そのために1970 年前後のJIDAの機関誌を参照し、主に「道具」に関する議論に注⽬する。その議論から少なくとも下記の4つの理論的な分節を指摘することができる。(1)⽇本の現状を省察し、インダストリアルデザインの理論に空間的、時間的変化を付与した。(2)上記(1)の実証として、コンポーネント家具やユニット住宅が注⽬され、「複合機能」や「機能の系」といった概念が提起された。(3)上記(2)を深めるため、⽣活者の創造性に⽬を向け、デザイナーとユーザーの共同意識を浮き彫りにした。(4)上記(3)を⼀般化するため、デザイナーのコミュニティ以外に知⾒を求め、⾃然物と⼈⼯物を俯瞰する視野を獲得した。これらにより、従来の普遍的なインダストリアルデザインの理論に我が国の特徴が付与されたと考えられる。
著者
水井 遥夏 石川 義宗 禹 在勇
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.416-417, 2018 (Released:2018-06-21)

1.はじめに 本報告は、前報「地域資源としてのジオウの商品の開発―信州上田薬草の会の活動を中心に(2)―」の続報である。前報では、新商品(化粧品)の開発における調査報告をした。これは、ジオウの根の活用可能性について、特に栽培の地理的特性や、新商品(化粧品)の価格設定についてアンケート調査に基づく検討と販売結果についての内容とともに、薬草や漢方に対しての価格が高い、古い、くさいなどのイメージとそれと対照的に存在する、現代人の健康に対する高い意識からくるニーズについての考察を述べるものであった。 本報告では、新たに発見されたジオウの葉の効用や特性を生かした商品の開発と、そのロゴ・ラベルデザインについて、議論内容や今後の課題・展望について述べたものである。