- 著者
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石松 一真
根師 由佳里
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第17回大会
- 巻号頁・発行日
- pp.38, 2019 (Released:2019-10-28)
2年目看護師37名を対象に、注意範囲のメタ認知(メタ注意)とメタ注意に関する記憶の正確さを検討した。参加者は、医療4場面、交通2場面について自分が同時に注意を配ることができると思う範囲(メタ注意領域)を、「現在自分がその場にいた場合」、「新人の頃の自分を想像して」、「看護師として3年の経験をつんだ自分を想像して」の3条件で描出した。結果、医療場面では、新人の頃、現在、3年の経験を積んだと仮定した条件の順に、メタ注意領域が広くなった(ps < .05)。また参加者が新人の頃を想像して描出したメタ注意領域と入職時に描出したメタ注意領域との間に有意差はみられなかった。一方、交通場面では、入職時に比べ、新人の頃を想像して描出したメタ注意領域が広かった。以上より、参加者は、患者を含む医療場面については新人の頃に描出したメタ注意領域を1年後もある程度正確に再現できることが明らかとなった。