著者
石渡 正佳
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.1358-1360, 2014

廃棄物処理法による行政処分と刑事処分によって不法投棄などの不適正処理を行う業者を排除しているが,それだけでは不十分なため,産業廃棄物処理業優良化推進事業により,公開情報に基づいた優良業者の認定を行っている。<BR>不適正処理を行った処分者に委託した排出事業者の責任による撤去指導においては,措置命令を発しないことと交換条件に,撤去費用の拠出を求めることがあるが,この場合,法令違反の確認された量ではなく,処分者に対する委託の「全期間全量未処理推定」により,拠出額を計算することが一般化している。このため,拠出額が数千万円になることが珍しくない。<BR>このため,不適正処理を行わない優良業者の選定が重要である。優良業者の選定は,公開情報に基づいた書類審査と,現地調査によって行うのが適当である。<BR>iMethodは,石渡が開発した産業廃棄物処理業者の「公開情報分析法」である。環境省が制度化した公開情報から「処理能力」,「処理実績」,「売上高」,「従業員数」の基本4情報を抽出し,「施設稼働率」,「平均単価」,「オーバーフロー率」,「生産性」の基本4指標を計算する。完全定量分析によって,個別業者の評価のほか,複数業者の計量的比較,グループ企業の連結分析,業界全体のトレンド分析を行うことができる。<BR>iMethodによって,産廃業界の標準処理価格は1トン3万円であること,標準生産性は従業員一人当たり年間667トンであること,一人あたり売上高は2,000万円であること,標準処理価格と標準生産性には相反性があること,総資産と総売上高の標準比は1対1であること,一人あたり売上高が1,500万円以下では経営難に陥りやすいこと,標準生産性の2分の1を超えると,生産性と利益率が比例的に増大することなどの法則性を導き出すことができる。
著者
石渡 正佳 佐藤 泉 富岡 修
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー = Nikkei ecology (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.202, pp.66-69, 2016-04

私が大きな問題と感じるのが、食品リサイクルの実態と、国が目指す理想や法制度との間に乖離が目立つことです。例えば、食品リサイクルの優先順位がそうです。昨年7月に食品リサイクル法の基本方針が改定され、食品リサイクルの優先順位を高い方から飼料化…