著者
若生 茂雄 石田 俊正
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.1251-1256, 1973-12-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
13
著者
石田 俊正 南部 伸孝 チュン ウィルフレド
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

光に応答する生成分子として、視覚に関するタンパク質ロドプシン中に存在するレチナール分子をとりあげ、分子に光を当てた際に起こる反応のシミュレーションを行った。レチナールの種類による光に対する応答性の違い、とくに、光を当てたときどれだけ反応するか、また、反応はどれくらい速くおこるかについて調べ、実験と一致する結果を得た。9cis-レチナールが私たちの目にある11-cisレチナールより反応が遅く、反応性が悪いのは、光で生成する励起状態においてトラジェクトリがエネルギー障壁に補足されるためであることを明らかにした。
著者
石田 俊正 南部 伸孝
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

大次元系になると、量子化学分野では、ab initio法と分子力学と組み合わせた、いわゆるQM/MM法が展開され、反応についても、数本のトラジェクトリ計算を追いかけるなどによって追跡されているが、統計学的に有意なトラジェクトリを得るのはひじょうに困難な状況であり、現在の数本のトラジェクトリから予測されていることとは大きく異なる現象・描像が将来得られることも十分考えられる。レチナールのモデル分子の直接動力学を計算し、励起状態から基底状態への遷移をZhu-Nakamura公式で評価して動力学を記述した。モデル分子については、小さい系と現実分子とほぼ変わらない系との2通りを考え、比較した。この系の小数次元に対してIMLS/Shepard法のポテンシャル面フィッティングを行い、次のステップとしてMM法との結合を考えていたが、研究期間中には終えることができなかった。そこで、IMLS/Shepard/MM法の適用可能性をさぐるため、まずは古典軌道法に非断熱遷移を考慮した、ホッピングトラジェクトリ法により、ポテンシャル面の性質を調べた。また、今まで開発したプログラムを用いて応用を進めた。0+HC1系に対するポテンシャル面表現に、IMLS/Shepard法を用い、3状態を含めた大規模なトラジェクトリ計算を行い、反応微分断面積などを見積もった。結果は、実測とよい一致をみた。励起状態が比較的低いエネルギー領域にもかかわらず、ほとんど寄与せず、ほぼ基底状態での動力学で決まっていることを見いだした。