著者
池亀 央嗣 高橋 加奈絵 川口 裕貴恵 横山 千明 諸橋 恵子 磯崎 勝 須貝 美佳 梅津 哉
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.117-123, 2019-01-25 (Released:2019-01-25)
参考文献数
4

3価鉄イオンを検出するベルリン青染色は,フェロシアン化カリウムに3価鉄イオンが結合しフェロシアン化鉄(ベルリン青)形成反応を利用した染色で,染色試薬の用時調製を要する。我々は,染色試薬の使用可能期間を明らかにするため,染色試薬の600 nmでの吸光度と染色性の変化を,保存条件を変え1年間まで経時的に検討した。保存条件は,室温,4℃,両者の遮光,及び−80℃(一部−20℃)凍結とした。吸光度は,凍結保存では一定値を保っていたが,それ以外では増加した。凍結保存では染色の色調,及び強度は1年後でも変化せず,共染色もなかった。それ以外では,青色から緑色調へと変化し,染色強度は減弱,共染色は増強した。凍結速度や凍結保存の温度は,染色性に影響しなかった。吸光度変化から,凍結保存以外の染色試薬では,経時的に液中に3価の第二鉄塩を生じ,フェロシアン化カリウムと反応して遊離フェロシアン化鉄を形成するため,組織中の鉄イオンと結合するフェロシアン化カリウムが減少して染色強度が低下すると考えられた。また,青色から緑色への色調変化は,ベルリン青色素の分子量が変化するためと考えられた。遮光保存の結果から,これらの反応に光が関与することが示唆された。染色試薬の凍結により反応が停止し吸光度と染色性の変化がみられなくなると考えられた。以上から,染色試薬を凍結保存することで,用時調製が不要となることが示された。
著者
高谷 光 磯崎 勝弘 清家 博史
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

側鎖にPd, Pt, Ru等の触媒金属錯体の結合した新規なメタル化アミノ酸およびメタル化ペプチドの合成に成功し,これらのメタル化アミノ酸の相互連結あるいは自己組織化による金属集積制御に成功した.また,メタル化アミノ酸の自己組織化によって得られる超分子集合体が水中で作用する不均一系触媒として高い活性を示し,アルキン酸類の環化付加反応やアルコール類の過酸化水素酸化に高い活性を示すことを見出した.