著者
小野 紗佑里 片田 駿介 福原 真一
出版者
日本シミュレーション医療教育学会
雑誌
日本シミュレーション医療教育学会雑誌 (ISSN:21879281)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.83-88, 2019 (Released:2022-01-21)

臨床工学技士養成課程では、日本臨床工学技士会の実習指導ガイドラインに従って、臨床実習を行っているが、見学実習が主のため学生は受け身にならざるを得ない。中でも、経皮的心肺補助装置(PCPS:percutaneous cardiopulmonary support)は、実習施設によって症例数に差があり、必ずしも治療現場を見学できるとは限らず、さらにモチベーション低下に繋がる可能性がある。こうした状況を改善するため、学内実習にて“PCPS導入のシミュレーション実習”を実施し、学生の理解度の変化から実習の効果を評価した。対象は、本学科77名の学生で、シミュレーションにおける役割として、医師と看護師、臨床工学技士を設けた。そして、実習終了後、理解度についてのアンケートを実施した。実習前後の理解度の変化についての自己評価は、98%の学生が10点満点中7点以上(8.59±1.95点)であり、本実習により理解が向上したと回答した学生が多い結果となり、本実習が臨床工学技士養成課程の学生の理解度向上に効果的であることが示唆された。
著者
岡 久雄 福原 真一
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.S188_1, 2019

<p>スポーツ等での運動能力(筋トレ効果)は最大筋力や繰返し回数,最高タイムなどで評価されることが多く,直接的には対象筋の収縮能力を評価していないことが多い。著者らは表面筋電図:EMGと,筋の収縮に伴うせん断応力波の伝搬振動を,皮膚表面に置いた変位計で測定する筋音図:MMGを同時計測できるMMG/EMGハイブリッドセンサを用いて,上腕二頭筋の等尺性収縮を行った際のMMGとEMGを測定した。被験者は20代健常成人10名,起座位で右肘関節を60度に保ち,センサを右上腕二頭筋腹上に貼付した。等尺性収縮は10%から100% MVCまで10%ずつ上昇させ,収縮時のMMG/EMG時間波形をそれぞれ二乗和した値を求めた。MMGは10~30%MVC:緩やかに増加,30~70%MVC:やや急激に増加,70%MVC以上:減少した。50%MVCの値で規格化し,%MVCの区間を区切って1次式近似(数値は傾き:相関係数r<sup>2</sup>が0.8以上)を行った(表)。本結果は運動単位の動員や発火頻度をもとに上腕二頭筋の等尺性収縮過程を説明した報告を支持するものであった。今後は本センサシステムを動的な運動計測へと展開したい。</p>