著者
伊藤 悟 鵜川 義弘 福地 彩 秋本 弘章 堤 純 井田 仁康 大西 宏冶
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

本発表は、昨年と今年の日本地理学会春季学術大会において同じ題目のもとにシリーズで行った4件の発表に続くもので、その後のシステム整備の進展や、未発表の利用実践を話題にする。具体的には、システム整備の新たな進展としてパノラマ写真との連動機能を、利用実践としては小学生らのオリエンテーリングを報告する。
著者
堤 純 鵜川 義弘 福地 彩 伊藤 悟 秋本 弘章 井田 仁康
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014

本ポスター発表は、今大会で同じ題目のもとにシリーズで行った2つの口頭発表と連動し、石川県金沢市の卯辰山麓寺院地区を対象に構築したARシステムについて、タブレット端末を用いた実物のデモンストレーションを行いながら、その機能と特長を紹介し、地理教育への応用の可能性を検討するものである(ポスター発表のコアタイムにデモンストレーションを実施予定)。<br>口頭発表において取り上げなかったいくつかの機能のうち、実際に野外での活動時に有効な機能の1つとして、ブログとの連携を挙げることができる。ブログと連携することにより、スマートフォンやタブレット端末のみならず、パソコンを含めた多様なデバイスから、各自のIT環境に左右されずに情報にアクセスできるため、教師や生徒が野外か屋内かを問わずに情報を閲覧できる上、様々な情報を書き込むこともできる。 今回は、全体を1つのブログとして、1寺院に1ブログ記事を対応させ、記事本体(図1)は教師が作成し、そのコメント(図2)は生徒が寄せるものと想定した。いずれも、テキストの書き込みとともに、画像の投稿もできる。本システムによる作業のフローは以下の①~④のようになる。<br>①ARにより端末画面に表示されたエアタグに着目&rarr;②AR内での当該寺院の説明文を(野外で)閲覧&rarr;③ブログ記事へジャンプ&rarr;④上記記事へのコメントを入力、閲覧<br>上記のフローのうち、④の行程として、教師が用意した情報を一方通行的に見せるだけでなく、ブログ上でコメントの投稿・返信を通じて情報を双方向にやりとりできる点も、地理教育上の効果が大きいと考えられる。 また、投稿されたコメントの掲載許可の権限を教員がもつことにより、ブログシステムへの投稿内容の管理が可能である。こうして掲載されたコメントはキーワードごとに、ブログの1つのタイムライン上に掲載されるため、閲覧や検索が容易である。これらのコメントが記載され、一般に公開されることは生徒の励みにもなり、地理教育上のメリットも期待できる。<br>
著者
鵜川 義弘 福地 彩 伊藤 悟
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

AR 拡張現実アプリ Junaio <br>拡張現実とは現実環境に情報を付加して見せる技術で、カメラ、GPS、コンパス、モーションセンサーを持つスマートフォン(スマホ)の出現により、画面に映し出される生の映像の中にGIS地理情報システムから得た情報を重ね合わせて見せる「位置情報型AR」として利用できるようになった。 スマホARアプリJunaioを使用すると、地理情報を保存する自前UNIXサーバと連携させることにより「自分たちが表示したい情報」を「表示したい緯度経度の位置」に、スマホの画面に浮かぶ「エアタグ/バルーン」として出現させることができる。 Junaioにはコンパスとモーションセンサーを用いてカメラを向けた方向の別画像を見せるパノラマモードが存在し、別の日時に撮影したパノラマ写真を表示して、同じ方向に見える現実の風景と比較することもできる。 <br>Googleスプレッドシートの利用<br>Junaioの地理情報は、自前UNIXサーバにXMLという言語で書いてアップロードしなければならないが、これをUNIXサーバの操作知識を持たない教員が登録/変更するのは難しい。そこでExcelの表と同様だが、インターネットに接続されているWebブラウザから利用できるGoogleスプレッドシートを用いることにした。このシートはユーザを編集者として登録すれば、同じ表を共有して同時に編集することも可能である。自前UNIXサーバ側では、シートの内容をPHP言語のfile_get_contentsという方法で読み取りJunaioに転送する。このことにより、登録・編集が簡単で教員の変更内容もリアルタイムに反映できるようになった。
著者
堤 純 須賀 伸一 生澤 英之 原澤 亮太 鵜川 義弘 福地 彩 伊藤 悟 秋本 弘章 井田 仁康
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

本研究では,iOSおよびAndroid OSのタブレット端末やスマートフォン用のアプリであるjunaio(ドイツのmetaio社が開発した無償ARビューア)を用い,群馬県立前橋商業高校における研究授業の実践などを通して,高等学校地理授業における位置情報型ARの利活用の可能性について検討した。このシステムを構築したことにより,群馬県高等学校教育研究会地理部会のメンバーならば誰でも情報を加除修正できるため,メンバー教員全員が授業用コンテンツづくりに積極的に関わることができるようになった。すなわち,GISのスキルに長けた一部の教員のみに多大な負担をかけてしまうことなく,「シェア型」,あるいは「情報共有型」ともいうべき授業用のARコンテンツが作成できるようになった。本研究のARシステムは,魅力的な地理教材作成において,今後の発展のポテンシャルが高いと思われる。<br>2015年1月に,群馬県立前橋商業高等学校2年生4クラス(160名)を対象とした地理Aの授業では,地域調査の単元(全6時間で計画した「前橋市の地域調査」)において,最初の1時間目をARシステムを援用した地域概観の把握とした。すなわち,高校最上階7階の教室窓から遠方に眺められる建物(高層ビル)について,その名称や用途・高さ・完成年等を,ARシステムを通じて確認しながら,前橋市の都市構造の理解に努めた。その結果,前橋駅南北での開発状況の比較や高崎市との都市機能の違いなどを,現地まで出かけなくても高校の校舎内に居ながら体感することができた。