著者
下條 隆嗣 平田 昭雄 福地 昭輝
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.39-47, 1996-06-30 (Released:2018-05-08)
被引用文献数
1

大学における小学校教師養成カリキュラムの改革,特にピーク制の是非を検討するために,小学校教師に,各教科等の指導上の困難さとその理由を自己評価によってアンケート調査した。教科等としては,教師養成の視点から,「国語」「社会」「算数」「理科」「音楽」「図画工作」「体育」「家庭」「生活」「書写」「道徳」「クラブ活動」「学級活動」「生活指導」「学校行事」「学級経営」「その他」とした。寄せられた583通の回答を,4年制大学理系,4年制大学文系,短大等の出身別に分けて分析した。教師は「音楽」指導に最も困難を感じていること,「理科」は文系と理系で指導の困難さの差が大きいこと,教科等には,指導上からみた特性があること,全教科等を通じて教師が困難と感ずる主な理由としては,指導方法や指導内容についての知識が不十分であり,また活動や教科等の設定が難しいと考えていることなどが明かにされた。