著者
平田 昭雄 杉山 健太郎 高根沢 伸友
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 21 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.243-244, 1997 (Released:2018-05-16)
参考文献数
5

東京都内に存住の小学校第5学年児童に質問紙法による調査を実施し, 当該学年段階の児童においては, 1)教科書等に「昆虫」と明記されているもののみが「昆虫」で, それ以外は「(ただの)むし」という誤概念;2)「昆虫の条件」を完全に満たすもののみが「昆虫」で, 満たさない小動物は「むし」(「昆虫」ではない)という素朴概念;3)いわゆる害虫は「昆虫」ではなく「むし」であるという誤概念;4)昆虫の幼虫は「幼虫」であって「昆虫」でも「むし」でもないというオルタナティブな昆虫概念;等が形成されている可能性を明らかにした.
著者
下條 隆嗣 平田 昭雄 福地 昭輝
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.39-47, 1996-06-30 (Released:2018-05-08)
被引用文献数
1

大学における小学校教師養成カリキュラムの改革,特にピーク制の是非を検討するために,小学校教師に,各教科等の指導上の困難さとその理由を自己評価によってアンケート調査した。教科等としては,教師養成の視点から,「国語」「社会」「算数」「理科」「音楽」「図画工作」「体育」「家庭」「生活」「書写」「道徳」「クラブ活動」「学級活動」「生活指導」「学校行事」「学級経営」「その他」とした。寄せられた583通の回答を,4年制大学理系,4年制大学文系,短大等の出身別に分けて分析した。教師は「音楽」指導に最も困難を感じていること,「理科」は文系と理系で指導の困難さの差が大きいこと,教科等には,指導上からみた特性があること,全教科等を通じて教師が困難と感ずる主な理由としては,指導方法や指導内容についての知識が不十分であり,また活動や教科等の設定が難しいと考えていることなどが明かにされた。
著者
平田 昭雄 青戸 優花
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.23-28, 2018-03-25 (Released:2018-07-01)
参考文献数
6

平成20年代日本で文部科学省他の日本国政府当局により発行された3点の中学生向け放射線教育関連副読本の内容を分析し見較べたところ、次のようなことが確認された。すなわち、初代副読本においては原子力発電と放射線関連科学技術が、二代副読本においては放射線の性質と被曝の影響が、三代副読本においては原発事故と放射線被害、被曝、復興が、それぞれ重点的に扱われるという変遷を辿っていた。そして、各副読本の作成、発行に当たっては、国のエネルギー基本計画、2011年3月の原発事故、同事故により生じた被災者の実情、などの社会的情勢が強く影響していたことを認識した。"
著者
青木 純一 前原 健二 樋口 修資 平田 昭雄
出版者
日本女子体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

学校はこれまで民間企業などの職務経験を積んだ後に教職をめざす人達を積極的に受け入れてきた。教員以外の職務経験が学校という「閉鎖的」な場を活性化すると考えたからである。しかし、中途入職教員が採用後の教育活動や、校務分掌や研修といった業務においてその経験をどのように活かし、活かされているかといった実態調査は、これまで必ずしも行われていない。そこで、中途入職教員やその任命権者である教育委員会へのインタビュー調査や質問紙調査によってこれらの課題を明らかにする。