著者
福市 彩乃 山本 佑実 菅村 玄二
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.369-377, 2019-03-20 (Released:2019-03-25)
参考文献数
50
被引用文献数
2

正座が,通常の椅座位やあぐらと比べて,授業場面でどのような影響を与えるか検討した.研究1では,カウンターバランスしたうえで36名が同じ椅子に3種類の姿勢で座り,それぞれ5分ずつ論文を読んだり講義を聞いたりした.その結果,あぐら条件や椅坐位条件よりも正座条件で参加者の眠気が低かった(ps < .02).また,正座条件では肉体的疲労が高かった(p = .013)が,精神的疲労は他条件との差が見られなかった.研究2では,実際の大学の授業でそれぞれ同一の椅子に座った83名の参加者を正座群と椅坐位群にランダムに割り付けた.その結果,正座群で,正座中及び正座後10分後の両時点で正座前よりも眠気が低く(ps < .05),足の痛みが高かった(ps< .002).一方で,姿勢間には肉体的疲労度,精神的疲労度,ストループ課題及び文字流暢性課題の有意差はなかった.正座は足の痛みをもたらすものの,痛みでは説明されない眠気緩和効果をもたらした.
著者
福市 彩乃 山本 佑実 菅村 玄二
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.42153, (Released:2019-02-01)
参考文献数
50
被引用文献数
2

正座が,通常の椅座位やあぐらと比べて,授業場面でどのような影響を与えるか検討した.研究1では,カウンターバランスしたうえで36名が同じ椅子に3種類の姿勢で座り,それぞれ5分ずつ論文を読んだり講義を聞いたりした.その結果,あぐら条件や椅坐位条件よりも正座条件で参加者の眠気が低かった(ps < .02).また,正座条件では肉体的疲労が高かった(p = .013)が,精神的疲労は他条件との差が見られなかった.研究2では,実際の大学の授業でそれぞれ同一の椅子に座った83名の参加者を正座群と椅坐位群にランダムに割り付けた.その結果,正座群で,正座中及び正座後10分後の両時点で正座前よりも眠気が低く(ps < .05),足の痛みが高かった(ps < .002).一方で,姿勢間には肉体的疲労度,精神的疲労度,ストループ課題及び文字流暢性課題の有意差はなかった.正座は足の痛みをもたらすものの,痛みでは説明されない眠気緩和効果をもたらした.
著者
福市 彩乃 菅村 玄二
出版者
日本応用心理学会
雑誌
応用心理学研究 (ISSN:03874605)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.286-287, 2020-03-31 (Released:2021-06-30)
参考文献数
11

We investigated the differences between images of Seiza and normal upright sitting. Seventy-nine undergraduates were showed photographic stimuli of these two types of sitting posture in a counter-balanced order. They rated impression of each posture by a 16-item semantic differential scale. The results of t-test for 73 participants showed that Seiza was perceived to be more submissive, unusual, ceremonious, and gloomy relative to normal upright sitting posture (ps<.001). The results were discussed in terms of Japanese cultures and evolutionary perspectives.
著者
福市 彩乃 田口 香澄 菅村 玄二
出版者
関西大学大学院心理学研究科
雑誌
関西大学心理学研究 (ISSN:21850070)
巻号頁・発行日
no.11, pp.39-47, 2020-03

従来,購買行動の研究は,対人販売場面を仮定するものが多かったが,券売機やセルフレジなどの機械化が普及し始めるにつれ,こうした社会的変化に消費者がどのように対応していくかに関心がもたれるようになってきた。本研究では,映画館のチケット販売場面で,有人窓口と自動券売機の選択行動について性別と年齢層の観点から検討した。関西圏のある映画館で,既定の時間帯にチケットを購入した639名(男性310名,女性329名)を観察し,性別と年齢層で分類した。その結果,女性や中年層では販売形態の選択に差が見られなかったが,男性や若年層は自動券売機を,高齢層は有人窓口を選択する人数が有意に多かった (ps < .02) 。自動券売の歴史は古いが,映画館のタッチスクリーン式の自動券売機では,今日でも高齢層は有人窓口を利用しやすいという結果になった。今後も継続的に同様の研究をすることで,顧客と販売者の双方にとって有益な広告戦略や顧客教育につながる資料となりうる。