著者
福田 友子
出版者
千葉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

中古車貿易は移民企業家が積極的に参入してきたニッチ産業であり,特に日本を起点とする右ハンドル中古車貿易においては,パキスタン人移民企業家が市場を牽引してきたことが知られている.本研究課題では,パキスタン人移民企業家が世界各地に形成した貿易拠点においてしばしば見うけられる,移民企業家の多民族/多国籍ネットワークに注目した.エスニック・ビジネス研究において基本原理とされてきた同胞ネットワークの活用とは様々な点で異なる,多民族/多国籍の移民企業家が連携したビジネス・ネットワーク構築の仕組みを明らかにした.
著者
ボナシチ エドナ 福田 友子 前田 町子 石田 沙希 マエダ マチコ MAEDA Machiko 石田 沙希 イシダ サキ ISHIDA Saki
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.32, pp.191-208, 2016-03

本稿は、Edna Bonacich, 1973, 'A Theory of Middleman Minorities,'"AmericanSociological Review" 38: 583-93. の和文翻訳(全訳)である。著者のエドナ・ボナシチ(1940- )は、現在、カリフォルニア大学リバーサイド校の名誉教授である。「分断的労働市場論」(1972)が有名であるが、この「ミドルマン・マイノリティ理論」も移民研究に大きな影響を及ぼした。とりわけエスニック・ビジネス研究においては、基本的論文として知られており、日本では日系アメリカ人の研究でたびたび引用・参照されてきた。本論文の主要な論点については多くの批判も出されたが、それはこの論文が移民研究において果たした役割の大きさを裏付けるものでもある。
著者
福田 友子
出版者
千葉大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

本研究は、トランスナショナルな移住形態が顕著に、かつ継続的に見られる、在日/元在日パキスタン人移民とその家族を調査対象者として取り上げ、日本社会に一旦適応したはずのパキスタン人移民が日本社会を離れることを決断し、「第三国」や「最終目的国」に再移住して活動拠点を形成する過程を分析し、その背景にどのような要因があるのかを考察した。そして「間接移民システム」モデルとトランスナショナリズム論を組み合わせながら、独自の説明図式を提示した。