- 著者
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福田 永
- 出版者
- 公益社団法人 応用物理学会
- 雑誌
- 応用物理 (ISSN:03698009)
- 巻号頁・発行日
- vol.63, no.11, pp.1106-1113, 1994-11-10 (Released:2009-02-05)
- 参考文献数
- 38
近年,電気的にデータの書き込みと消去ができる不揮発性半導体メモリーが注目を集めている.その理由は,集積度の著しい向上により,ハードディスクなどの外部記憶や主記憶の分野へ参入できる可能性が出てきたためである.このメモリーは,データのやりとりをきわめて薄いトンネル酸化膜を介した電子のトンネリングによって行っている.この過程でトンネル酸化膜中に電荷捕獲が起こり,その結果,データの書き換え回数が制限されるという問題が生じている.この酸化膜固有の問題が解決できると飛躍的にメモリーの高集積化が図れ,かつ高性能化が期待できる.本稿では,最初にメモリーの動作原理と極薄酸化膜劣化メ力ニズムについて述べ,次にトンネル酸化膜の改質について紹介する.