著者
高橋 ユリア 福田 真由美 下村 道子 吉松 藤子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.222-227, 1991-08-20
被引用文献数
2

新流通魚のテクスチャーを知ることにより,各々の魚に適した調理方法を探ることを目的とした。新流通魚13種と従来から日本人が食べている魚3種の魚肉について機器測定を行い,得られた測定値を多変量解析で分析し以下の結果を得た。1)カツオのテクスチャーに似ているものはチリマアジ,シマガツオ,アロツナスで,これらは加熱により身がしまり硬くなり,みずっぽさが少なくぱさぱさした口ざわりのものと考えられた。2)マアジのテクスチャーに似ているものはアカダラ,ホキ,ミナミダラ,オレンジラフィーで,これらは硬さ,口ざわりともにカツオとマコガレイの中間にあるものと考えられた。3)マコガレイのテクスチャーに似ているものはテラピア,ギンダラ,メルルーサでこれらの加熱魚肉は柔らかく,みずっぽく,ぱさぱさしていない口ざわりのものと考えられた。4)カツオ,マアジ,マコガレイのテクスチャーに該当しないものは3種あった。オキメダイ,シロサワラの加熱魚肉の硬さは,カツオとマアジの中間であるが,マコガレイよりもみずっぽく,ぱさぱさしていないものと考えられた。ギンブカの加熱魚肉は非常に軟らかくなるものと考えられた。5)魚肉のテクスチャーを知ることにより,各々に適した調理方法を推測できた。