著者
西本 伸志
出版者
日本眼光学学会
雑誌
視覚の科学 (ISSN:09168273)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.56-61, 2015 (Released:2015-12-09)
参考文献数
14

ヒト非侵襲脳活動計測技術の高精度化および脳神経活動解析技術の精緻化に伴い,ヒト脳内表象の定量理解や脳活動解読による視覚体験の可視化などの研究が進んでいる。本稿では,fMRI(functional magnetic resonance imaging)を用いた視覚体験映像化に関する進展と技術を概説する。
著者
藤山 千紘 小林 一郎 西本 伸志 西田 知史 麻生 英樹
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.169-170, 2017-03-16

我々は、常に次の状態を予測しながら日常生活を送っている。これは、我々がもつ脳の大脳皮質における予測符号化の機能が行っていることであり、近い将来を予測することによって生物としての個体を守っている。本研究では、この機能を模倣した深層学習により動画像から次の時刻の画像を予測することを目的とする。
著者
西田 知史 西本 伸志
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

近年、深層学習は物体識別のようなパターン認識課題において非常に優れた成績を示している。しかし、最新の深層学習ネットワークを用いても、感覚入力パターンから、それと結びついた人間の主観的判断(例:嗜好、印象)を推定することは未だ難しい。そこで本研究では、深層学習の特徴表現に脳の情報表現を統合することで、そのような推定問題における深層学習ネットワークの性能を向上させられるか検証を行う。まず、深層学習ネットワークにおける視覚入力の特徴表現と、同じ入力対する脳内の情報表現の間の対応関係を、計測脳応答を用いて事前に学習する。次に、その対応関係を用いて、新たな視覚入力に対する深層学習特徴表現を脳内情報表現に変換する。そして、変換された情報表現を用いて、その視覚入力が誘発する人間の認知内容を推定する。その結果、脳内情報表現を統合したときのほうが、推定性能が向上することを、2つの推定課題を用いて例示する。本研究で採用する深層学習と脳情報の統合手法は、人間の主観的判断の推定において、深層学習の性能を向上させる、効果的な方法論を提供するといえる。
著者
松尾 映里 小林 一郎 西本 伸志 西田 知史 麻生 英樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

本研究は,画像を見た人の脳の活動パターンをfMRIで観測し,人が画像刺激によって頭の中に抱いた意味表象,すなわち画像によって想起された事象を,観測されたデータから深層学習を用いて説明する文生成手法を構築する.その際、画像に映る事象に対して自然言語による説明文を生成するキャプション付けの技術の援用や,事前学習の導入などを検討し,大規模なデータ収集が困難な脳活動データの効果的利活用を行う.
著者
相川 慎也 芦原 貴司 天野 晃 有末 伊織 安藤 譲二 伊井 仁志 出江 紳一 伊東 保志 稲田 慎 井上 雅仁 今井 健 岩下 篤司 上村 和紀 内野 詠一郎 宇野 友貴 江村 拓人 大内田 研宙 大城 理 太田 淳 太田 岳 大谷 智仁 大家 渓 岡 崇史 岡崎 哲三 岡本 和也 岡山 慶太 小倉 正恒 小山 大介 海住 太郎 片山 統裕 勝田 稔三 加藤 雄樹 加納 慎一郎 鎌倉 令 亀田 成司 河添 悦昌 河野 喬仁 紀ノ定 保臣 木村 映善 木村 真之 粂 直人 藏富 壮留 黒田 知宏 小島 諒介 小西 有人 此内 緑 小林 哲生 坂田 泰史 朔 啓太 篠原 一彦 白記 達也 代田 悠一郎 杉山 治 鈴木 隆文 鈴木 英夫 外海 洋平 高橋 宏和 田代 洋行 田村 寛 寺澤 靖雄 飛松 省三 戸伏 倫之 中沢 一雄 中村 大輔 西川 拓也 西本 伸志 野村 泰伸 羽山 陽介 原口 亮 日比野 浩 平木 秀輔 平野 諒司 深山 理 稲岡 秀検 堀江 亮太 松村 泰志 松本 繁巳 溝手 勇 向井 正和 牟田口 淳 門司 恵介 百瀬 桂子 八木 哲也 柳原 一照 山口 陽平 山田 直生 山本 希美子 湯本 真人 横田 慎一郎 吉原 博幸 江藤 正俊 大城 理 岡山 慶太 川田 徹 紀ノ岡 正博 黒田 知宏 坂田 泰史 杉町 勝 中沢 一雄 中島 一樹 成瀬 恵治 橋爪 誠 原口 亮 平田 雅之 福岡 豊 不二門 尚 村田 正治 守本 祐司 横澤 宏一 吉田 正樹 和田 成生
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Dictionary.1, pp.1-603, 2022 (Released:2022-03-31)
著者
西本 伸志 福間 良平 栁澤 琢史 貴島 晴彦
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.12, pp.896-903, 2018 (Released:2018-12-25)
参考文献数
19

近年の機能的磁気共鳴画像法 (fMRI) 技術の進展および機械学習技術の高度化に従い, 日常的な知覚・認知に関わる脳機能・脳内情報の定量的な解明が進んでいる. このような研究は, 全脳を対象とした包括的脳機能マップに基づく術前・術中の情報提供や, 侵襲脳計測・刺激技術を介した高度なブレイン・マシン・インターフェースなど, 先進的な技術の数理基盤となる可能性がある. 本稿ではこれら最近の脳情報の解明に関する現状と展望について紹介する.
著者
川瀬 千晶 小林 一郎 西本 伸志 西田 知史 麻生 英樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

fMRIを使用し測定した動画視聴時のヒトの脳活動データとその動画を説明する文書の分散意味表現をそれぞれスパースコーディングを用いて辞書と係数に分解し、これらの係数同士の対応関係を捉えることで新しく観測された脳活動データに対して言語表象を推定する。スパースコーディングを介して推定を行うことで精度の向上を確認した。また、重要単語を考慮した意味表象を作るなどの工夫を行い、提案手法の正当性の追認を行った。
著者
西田 知史 西本 伸志
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた脳情報解読は実世界における様々な応用が期待されているが、新たな解読をするたびにfMRIによる脳活動計測が必要となり、その計測コストが応用の大きな障壁となっている。そこで本研究では、視覚コンテンツに誘起される知覚経験を推定するための脳情報解読として、解読モデルを構築後は追加のfMRI計測を必要としない、全く新しい形の解読手法の提案を行う。提案手法は、個人脳データから構築される、視覚情報が誘発する脳活動を予測するモデルと、予測した脳活動から知覚内容を解読するモデルから構成される。学習済みの2つのモデルを連結することで、新規の視覚情報に対して、追加のfMRI計測なしに個人の知覚内容が推定可能になる。検証の結果、提案手法は知覚内容を適切に推定し、かつ知覚の個人差も推定することが示された。これにより、提案手法は、任意の視覚入力により誘起される個人の知覚経験を、脳内知覚表象を介して推定する計算システムとして機能することが示唆された。
著者
藤山 千紘 小林 一郎 西本 伸志 西田 知史 麻生 英樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

我々は、常に次の状態を予測しながら日常生活を送っている。これは、我々がもつ脳の大脳皮質における予測符号化の機能が行っていることであり、近い将来を予測することによって生物としての個体を守っている。 本研究では、この機能を模倣した深層学習モデルに対して、画像刺激を受けている際の脳活動との相関関係を考察する。
著者
西本 伸志
出版者
Japanese Neural Network Society
雑誌
日本神経回路学会誌 = The Brain & neural networks (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.39-49, 2012-03-05

神経科学のゴールの一つは,私たちの日常の体験を支える脳·神経系の情報処理メカニズムを理解することにある.しかし,脳·神経の視覚情報処理に関する多くの知見は,特定の仮説検証を行うために特化した限定的な視覚刺激を用いた実験結果に基づいており,より自然な視覚入力に対して容易に一般化できない.自然な視覚入力下における視覚情報処理の包括的な理解を目指す枠組みとして,近年エンコーディングモデルを用いたアプローチが注目を集めている.このアプローチでは,視覚情報処理に関する仮説は任意の刺激に対する応答を予測する定量的モデルとして実装され,その妥当性は新規刺激に対する予測性能によって検証される.エンコーディングモデルを用いたアプローチは汎用的なものであり,その適用例は初期視覚領野における視覚特徴表現から高次視覚領野における意味情報表現まで,受動的知覚条件下から能動的認知タスク条件下まで,また単一細胞電位記録から機能的磁気共鳴画像(fMRI)記録まで,多岐に渡る.本解説では,エンコーディングモデルを用いた研究の枠組み,および同モデルを利用した最近の研究を紹介する.