著者
小野塚 知二 市原 博 禹 宗? 榎 一江 木下 順 清水 克洋 関口 定一 松田 紀子 オムネス カトリーヌ オリヴァー ボビー
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、人が他の人の働き方を管理して、より効率的に成果を得るという近現代産業社会に特有の営為(すなわち労務管理)が、いかに誕生し、終焉を迎えつつあるかを、比較史の観点から明らかにした。労務管理は産業社会の初発の段階にはほとんど発生せず、自律的な集団作業に委ねられていたのに対して、そうした集団を可視化し、統御し、解体しようとする発想が19世紀末に登場するとともに、労務管理は生成した。仕事における集団の重要性の低下とともに労務管理の必要性も低下しつつある20世紀末以降の現状の歴史的な位置付けを試みた。