著者
松田 紀子 白木原 美紀 白木原 国雄
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.8-14, 2011 (Released:2012-12-06)

天草下島周辺海域に周年定住するミナミハンドウイルカTursiops aduncusを対象としてイルカウォッチング船が群れの行動に及ぼす影響を調べた。陸上定点から群れの行動観察を行い,群れの位置をセオドライトで計測した。個体が間隔を詰めて同調的な潜水浮上を繰り返す時,ウォッチング船が1隻でも存在すると,不在時に比べて潜水時間が長くなり,浮上中の速度が増加した。4,5隻以上存在した時,潜水地点から浮上地点までの距離が増加し,浮上時間が減少した。群れに接近可能な隻数制限の導入が必要である。
著者
寺村 泰 山崎 志郎 西野 肇 日向 祥子 小野塚 知二 松田 紀子
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、業種ごとに市場のコーディネートが多様な形態で行われてきたことを資料に基づき実証するとともに、国際比較を踏まえて日本における市場のコーディネーションに関する特質を解明するものである。第一に、日本国内にある2100の業界団体に対して保存資料に関するアンケート調査を行い、その集計結果および資料リストを冊子にまとめ、研究者に郵送したほか学会において無償配布した。第二に、海外における業界団体等の資料保存体制に関して現地調査を行い、日本における資料保存体制との比較考量を行った。第三に、調査過程で収集した資料に基づいて多様な市場コーディネーションの実態について研究し成果を発表した。
著者
小野塚 知二 市原 博 禹 宗? 榎 一江 木下 順 清水 克洋 関口 定一 松田 紀子 オムネス カトリーヌ オリヴァー ボビー
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、人が他の人の働き方を管理して、より効率的に成果を得るという近現代産業社会に特有の営為(すなわち労務管理)が、いかに誕生し、終焉を迎えつつあるかを、比較史の観点から明らかにした。労務管理は産業社会の初発の段階にはほとんど発生せず、自律的な集団作業に委ねられていたのに対して、そうした集団を可視化し、統御し、解体しようとする発想が19世紀末に登場するとともに、労務管理は生成した。仕事における集団の重要性の低下とともに労務管理の必要性も低下しつつある20世紀末以降の現状の歴史的な位置付けを試みた。