著者
秋山 剛 萱間 真美 大野 裕 川上 憲人
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.19, no.11, pp.11_75-11_78, 2014-11-01 (Released:2015-03-06)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1
著者
河村 代志也 藤原 修一郎 秋山 剛
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.152-159, 2011-04-15 (Released:2015-04-02)
参考文献数
12

1995年1月17日の都市直下型地震による阪神大震災,および,2011年3月11日の太平洋沖地震とその大津波による東日本大震災において,震災1カ月の時点(ハネムーン期)に,神戸市および石巻市・東松島市で精神医療支援を行った。また,東日本大震災によって原発事故も抱えた福島県において,災害半年以後(幻滅期への移行期)に継続的な精神医療支援を行った。これらの経験を通して,阪神と東日本の両震災がもたらした影響の異同,東日本大震災における支援時期の違い,原発事故の影響について報告した。震災1カ月の支援対象は,ほとんどが了解可能な一過性の不安恐怖や不眠の反応を起こした被災者であった。感情は抑制されていたが不安定化することがあった。一部に軽躁傾向を示す被災者もいた。震災半年以後は,不安抑うつ症状のために精神科を受診する被災者が増える傾向にあった。被災地では放射能汚染不安を示す者がかえって少なかった。
著者
野田 寿恵 木村 哲也 坂本 英史 矢吹 すみ江 秋山 剛
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.293-295, 1999-03-15

国際疼痛学会では,痛みを「組織の実質的あるいは潜在的な損傷を伴い,このような障害を表す言葉を使って述べられる不快な感覚,情動体験」と定義している11)。痛みに伴う情動とは,主に抑うつ,焦燥,不安などであり,慢性疼痛の患者に抑うつ症状が出現した場合,しばしば抗うつ剤などの向精神薬が投与される。また,うつ病が合併した慢性疼痛に対して,電気けいれん療法が有効であったとする報告が,1946年以来いくつかみられる8)。今回我々は,ペインクリニック科での様々な疼痛治療や向精神薬の投与で,症状の改善をみなかった慢性疼痛の症例7例に対して,無けいれん通電療法modified electroconvulsive therapy(mECT)を本人の告知同意のもとに施行した。7例の中で,改善が得られた症例と改善が得られなかった症例の臨床的特徴を比較し,慢性疼痛に対する無けいれん通電療法の適応について若干の考察を加えた。