著者
山本 八千代 竹元 仁美 松原 三智子 須藤 桃代 泉澤 真紀 笹尾 あゆみ 馬場 みちえ 秋鹿 都子 関口 史絵
出版者
安田女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

助産師の知識や認識等の現状を明らかにすることを目的とし、 2020年10月から12月に郵送による自記式質問紙調査を実施した。その結果241名の助産師有資格者から回答をえた。回答者の年代は20代から60代で、助産師の平均従事年数は15.3年であった。 過去5年以内に、妊娠期あるいは子育中の家族で、行政の「要支援対策協議会」や「養育訪問支援事業」の支援につながった事例との遭遇経験は、3例未満23.7%、3例以上5例未満8.3%、5例以上10例未満7.5%、10例以上16.2%であった。助産師の遭遇事例は少なくない。「虐待防止という観点から助産師教育を再検討するにあたり、全体的に助産師の能力が備わっているか」という問いには、①課題の少ない妊婦や家族の相談にかかわる技術及び、②支援を要する家族を発見する技術では、「まあまあある」、「ほぼ十分である」の回答が多かった。しかし、③未熟であったり、課題を抱える家族や、支援を要する家族とコミュニケーションをとる技術、④助産師が日頃から地域の中に入り、地域の人々とかかわる力、⑤メンタルヘルス問題のある親の育てにくさに寄り添う技術、⑥多職種・他部門との連携や調整する力では、その逆で、「大変不足している」「不足している」との回答が多かった。本結果から、助産師の虐待問題を抱える事例との遭遇は少なくないことと、発見や予防のための助産師の技術をさらに向上させる必要があることが明らかになった。特に、未熟であったり、課題を抱える家族とかかわる技術、支援を要する家族とコミュニケーションをとる技術、日頃から地域の中に入り、地域の人々とかかわる力、メンタルヘルス問題のある親の育てにくさに寄り添う技術、多職種・他部門との連携や調整する力などを高める必要がある。
著者
秋鹿 都子 長崎 雅子 松岡 文子
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.91-98, 2005

看護学生の患者へのタッチによる、看護の質の変化について明らかにすることを目的に、看護学生9名に半構成的面接を行った。内容の質的帰納的分析の結果、100のコード、29のサブカテゴリー、10のカテゴリーを抽出した。タッチによる看護の質の変化は【患者との距離感】【タッチ効果の気づき】【患者への親近感】【意識的なタッチ】【タッチ効果の確信】【自己効力感】【患者に対する思いの深まり】【タッチの無意識化】【患者に寄り添う看護】という経過をなしていた。タッチに関与した因子は、患者の年齢・性・自立度・反応、タッチの目的・方法・状況だった。タッチによる患者との人間関係の深まりは、看護学生の看護の質を向上させる。