著者
落合 のり子 山下 一也 阪本 功 濵村 美和子 福澤 陽一郎 橋本 由里 松岡 文子 恩田 晴夫 Noriko OCHIAI Kazuya YAMASHITA Isao SAKAMOTO Miwako HAMAMURA Yoichiro FUKUZAWA Yuri HASHIMOTO Ayako MATSUOKA Haruo ONDA
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.39-45, 2010-09-30

大学における健全な室内環境の確保を目的として、講義室利用時の空気中の二酸化炭素濃度を測定し、対策を検討した。在室人数が80人の講義中に、空調換気扇を作動させた状態で測定した結果、45分後に二酸化炭素濃度は1、100ppmとなり基準値(1、000ppm)を超え、換気不十分であった。対策として、非空調時の講義中は、必ず換気扇を作動させ、空気の取り入れ口として、少しだけ窓やドアを開けておく。冷暖房時には換気扇を空調換気方式に切替え、休憩時間や昼休みには、積極的に窓とドアを開け自然換気を行う。恒久的には、機械換気の能力を高める対策や講義室内の空気を対流させるなど、総合的な空気環境設計が必要である。
著者
山下 一也 井山 ゆり 松本 亥智江 井上 千晶 松岡 文子 磯村 由美 飯塚 桃子 梶谷 みゆき 吾郷 美奈恵 齋藤 茂子 湯澤 雄一郎 片倉 賢紀 橋本 道男 加藤 節司 Kazuya YAMASITA Yuri IYAMA Ayako MATSUOKA Yumi ISOMURA Momoko IIZUKA Miyuki KAJITANI Minae AGO Sigeko SAITO Yoichiro FUKUZAWA Masanori KATAKURA Michio HASHIMOTO Setsuji KATO
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.25-30, 2007-12-10

高齢者の趣味の有無が認知機能と関連しているとの報告が多くなされている。今回、地域在住一般高齢者272名(平均年齢72.3歳)を対象に趣味の有無と認知機能の関連を検討した。趣味を有する群(186名)と無趣味群(86名)では、主観的幸福感、抑うつ程度、 日常生活動作には有意差は見られなかったが、認知機能においては、趣味を有する群では無趣味群に比して有意に高値であった。また、趣味を有する群では、無趣味群に比して、物事に好奇心があり、社交的な性格であった。認知症予防において、趣味を持つことを積極的に勧めることは重要と思われる。
著者
小清水 貴子 松岡 文子 山本 光世 艮 香織 小倉 礼子 河村 美穂 千葉 悦子 仲井 志乃 仲田 郁子 中村 恵美子 松井 洋子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.65, 2008

<B>研究目的</B><BR> 保育の学習は、母性の保護や子どもの成長・発達がメインである。平成12年高等学校学習指導要領解説(家庭編)では、「少子化の進展に対応して、子どもがどのように育つのかに関心をもち、子どもを生み育てることの意義を理解する学習を重視するために、子どもの発達と保育に関する内容の充実を図った」と述べられている。しかし、少子高齢社会を迎えたいま、中・高校生が小さい子どもとかかわる機会は減少している。生徒たちにとって、赤ちゃんをイメージし、小さい生命に対して自分と同じ命の重みを感じることは難しい。また児童虐待など子育ての困難さから、将来、子どもをもつことに否定的な生徒もいる。そのような生徒たちが、生命について考え、子どもを生み育てることの意義を理解するためには、保育の学習で何を取り上げ、どのような視点に立った授業をすればよいだろうか。<BR> そこで、死から生をとらえ直す授業として『誕生死』を教材にした授業を行い、その実践報告を通して保育で生徒に何を教えるか、保育の学習目標を明らかにすることを目的とする。<BR><BR><B>研究方法</B><BR> (1)メンバーの一人が『誕生死』(流産・死産・新生児死で子をなくした親の会著、2002、三省堂)を教材にした授業実践を報告する。(2)実践報告を聞いて教材や授業の視点について議論する。(3)議論を通して自身の保育の授業を振り返り、メールを利用して意見交換を行う。その後、メンバーが記述した意見をもとに議論・考察を行い、学習目標を検討する。<BR><BR><B>結果と考察</B><BR><U>(1)『誕生死』を教材とした授業実践の概要</U><BR> 授業は平成18年6月、高校2年生の選択科目「発達と保育」で実践した。『誕生死』から一組の夫婦の手記をプリントして、教師が読み聞かせを行い、読後に感想を記述させた。多くの生徒が、出産が必ずしも喜びをもたらすものではないことに気づき、生命の重みを感じていた。また、母親だけでなく父親や祖父母の胎児に対する愛情の深さを感じた様子だった。<BR><U>(2)実践報告後の議論</U><BR> 報告者は生徒の反応に手応えを感じたことから、一教材の提案として実践を報告した。しかし議論では、教材としての妥当性について賛否両論に分かれた。賛成意見では、夫婦の感情が手記に溢れてインパクトが強く、生徒の心に響くなどがあがった。反対意見では、逆にインパクトが強過ぎて生徒の心の揺らぎを受け止めるのは難しいなどがあがった。議論から、生徒に何を教え、考えさせるか、個々の教師が授業を振り返り、学習目標を明らかにすることが必要であることが分かった。<BR><U>(3)教材選択と教師が設定する学習目標</U><BR> 議論後の各自の振り返りから、保育学習の課題として「教材選択と妥当性」と「保育の学習目標」の二つの論点が明らかになった。「教材選択と妥当性」では、教師および生徒の問題意識、教師と生徒との関係性、教師の年齢や生活経験など教師自身のもつ背景が関係していることが分かった。「保育の学習目標」では、とくに生命の誕生に関する学習において、性感染症や中絶などの恐ろしさから生徒の行動抑制に重きをおく授業や、生徒自身の性をみつめることに重きをおく授業など、幅広い学習目標が設定可能である。どのような目標を設定するかは、生徒の実態から教師自身が必要と考える目標を明確にすることが必要である。<BR><U>(4)保育で何を教えるか―私たちが考える保育の学習―</U><BR> 保育では、誕生前より誕生後の子どもの発達にウエイトが置かれている。しかし、人の一生をトータルにみていくことが家庭科独自の視点である。そこで、家庭科教育の中でしか扱えない、誕生前後をつなぐ「性」「生命」を視野に入れた授業が必要である。
著者
長崎 雅子 松岡 文子 山下 一也 Masako NAGASAKI Ayako MATSUOKA Kazuya YAMASHITA
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.9-17, 2006-12-25

20歳以上の非医療従事者269名に死生観に関するアンケート調査を実施した。その結果、死はマイナスイメージで回避できない自然現象ととらえて、心の準備が必要と考えている人が多く、死の準備教育の必要性が示唆された。また、死をタブー視する傾向は、60代以上に多く、時代的背景の影響が見られた。死に対する不安は身体的苦痛などの現実的なことが多かったが、20~30代は「自己の存在消滅」など認識面の不安が多かった。死を意識するきっかけとしては、「大切な人の死を通して」が最も多く約6割であった。50代以上では、体調、加齢をきっかけとして死を意識し、かつ、それに伴う具体的な行動が見られ、死の準備状況の進展がみられた。20代では臓器移植賛成、提供してもよいが約8割であった。性差では女性の関心が高く、死を意識した行動が見られた。
著者
田原 和美 吉川 洋子 松本 亥智江 松岡 文子 平井 由佳 Kazumi TAWARA Yoko YOSHIKAWA Ichie MATSUMOTO Yuka HIRAI
出版者
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.71-76, 2009

10年前と比較して看護学生の社会的スキルや自尊感情について変化があるのか、1999年度1年次生と2008年度1年次生の2群で、和田(1992)のソーシャルスキル尺度改訂版とジャニスとフィールドの自尊感情尺度(SE測定尺度)日本語版に改定を加えた遠藤ら(1974)の尺度を用い比較した。それぞれの尺度の合計得点、下位尺度ごとの比較において有意差はみられず、今回の比較では1999年度と2008年度の看護学生の社会的スキルと自尊感情に変化はなかった。その理由として、青年期の特性の影響、看護を学ぶ学生の特性、用いた尺度による影響が考えられた。
著者
祝原 あゆみ 井上 千晶 山下 一也 齋藤 茂子 伊藤 智子 松本 亥智江 加藤 真紀 松岡 文子 持田 和夫 福間 紀子 錦織 圭佑 Ayumi IWAIBARA Chiaki INOUE Kazuya YAMASHITA Shigeko SAITO Tomoko ITO Ichie MATSUMOTO Maki KATO Ayako MATSUOKA Kazuo MOCHIDA Noriko FUKUMA Keisuke NISHIKORI
出版者
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.65-75, 2011

S県A市とS県立大学が取り組む共同事業に参加した地区スタッフが事業から得ているものを分析し,今後の支援について検討することを目的に自記式質問紙調査を行った。その結果「プログラム内容の満足感」は高いが「教室運営の満足感」は低いことや,【高齢者への認識の変化】【自らが感じたプラスの効果】【介護予防への関心の高まり】【活動継続に対する意欲】の4カテゴリーの抽出から,個人のエンパワメント効果が明らかになった。1年間の事業は住民が介護予防に取り組むきっかけとしての役割を果たしており、今後も住民のパートナーとしての継続した関わりが必要と考えられた。
著者
河村 美穂 山地 瑞紀 松岡 文子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集 第57回大会・2014例会
巻号頁・発行日
pp.59, 2014 (Released:2015-01-10)

研究目的 家庭科の時間が減少するなかにあって、調理実習では調理技能の習得は難しいと考えられるようになっている。本研究は限られた調理実習でも適切な指導法により確実に包丁を使う技能を習得することを可能するための方策を考えたい。なぜなら包丁を使う技能は生徒にとって料理ができると実感しやすい技能であり、その後の食生活を主体的に営むための基盤となると考えるからである。限られた時間の中で効果的に包丁を使う技能を習得する方法を示すことができれば、その後の生活で有用となるためにどのような学びが必要なのかが明らかになり、調理実習という家庭科固有の授業の意義もより一層明確にできると考えた。 そこで、本研究では中学校の家庭科授業において2回のりんごの皮むき調査を実施し、中学生の技能実態を測定し、技能の習得に関わる要因を探究することを目的とする。具体的には、食生活領域の授業の一環として冬季休業前後に2回の包丁指導(兼調査)を行い冬季休業中の課題も含めて生徒の学びの実態を多面的に検討する。研究方法 公立中学校1年生60名(男子33名女子27名)を対象として、食生活領域の学習に1.包丁の使い方(リンゴの皮むき・技能調査事前)2.冬季休業中の皮むき・料理課題 3.フルーツポンチをつくる実習(含リンゴの皮むき・技能調査事後)を組み込み実施した。技能調査は各班にビデオカメラを固定して授業時間内に録画し、この録画記録をデータとしてA親指の位置、B手の動き、C皮のむき具合についてそれぞれ3段階の評価基準を設けて評価した。さらにこの授業の前後で家事の参加度、料理の頻度、調理技能に対する認知について質問紙調査を行った。本授業の授業記録及び冬季休業中の課題記録からも可能な範囲でデータを収集した。データ収集に際しては、研究目的とともに事前に生徒に説明し了承を得て行った。実施時期は、2013年12月~2014年1月である。結果と考察収集したデータの分析結果のうち次の3点を示す。1包丁技能に対する認知(質問紙調査)得点:調理技能のうち包丁技能の認知得点だけは有意に得点が上がった。2技能評価(録画記録)得点:事前事後で有意な差はなかった。3むいたリンゴの廃棄率:事前事後で有意な差はなかった。  そこで、事後の技能評価得点(9点満点)をもとに日常生活で有用な包丁技能の習得という観点から対象者を4群に分けて習得の実態を詳細に検討した。A群:包丁技能が十分と考えられる群(9点/9点満点)B群:ほぼ大丈夫だがもう少しの群(8~7点/9点満点)C群:不十分な技能である群1(6点/9点満点・前後差無)D群:不十分な技能である群2((6~0点/9点満点・前後差有)以上の群ごとに比較すると廃棄率は事前事後とも大きな変化は見られず、包丁技能に対する認知はD群以外の3群で事後に有意に高い得点を示した。  ここで特徴的なD群は、技能に対する認知得点が事前で高く事後に変化がなかったが、実際には事前から事後へと技能評価得点3項目すべてにおいて有意に低下した生徒により構成されている。この得点の低下、つまり下手になるという状態は録画記録を分析した結果、むく手の親指を刃先にのせず刃をスムーズに動かせないという現象として認められた。  ちょっとやってみて器用にできたと思っても、それが継続的に身についた技能となるためには、自分の技能の状態を正しく認識することがカギとなる。偶然できたことを評価するだけではなくどのようにしてできたのかを科学的に理解するということが大切なのではないだろうか。
著者
秋鹿 都子 長崎 雅子 松岡 文子
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.91-98, 2005

看護学生の患者へのタッチによる、看護の質の変化について明らかにすることを目的に、看護学生9名に半構成的面接を行った。内容の質的帰納的分析の結果、100のコード、29のサブカテゴリー、10のカテゴリーを抽出した。タッチによる看護の質の変化は【患者との距離感】【タッチ効果の気づき】【患者への親近感】【意識的なタッチ】【タッチ効果の確信】【自己効力感】【患者に対する思いの深まり】【タッチの無意識化】【患者に寄り添う看護】という経過をなしていた。タッチに関与した因子は、患者の年齢・性・自立度・反応、タッチの目的・方法・状況だった。タッチによる患者との人間関係の深まりは、看護学生の看護の質を向上させる。