著者
近藤 晃 穐山 雄一郎 山下 裕
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.372-375, 2006-12

71歳男性で,発熱,両下肢の倦怠感があるため,2006年7月7日当病院に入院した。右肘部背側に小鶏卵大の腫瘤があり,右前腕および上腕屈側に結節および発赤をみとめた。白血球数18200/mm3,好中球86.9%であったため,piperacillinの治療を開始した。入院時の血液培養で,Viblio vulnificusが分離された。その後,piperacillinのほか,imipenem, biapenemに変更して,症状は軽快した。アルコール性肝炎があったが,早期からpiperacillinによる治療を行ったことにより,重症化せずに救命し得たものと考えられた。