著者
穴井 智史 矢吹 信喜 福田 知弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.1-13, 2021 (Released:2021-01-20)
参考文献数
44

画像処理による土木構造物の変状の自動検出手法として,以前は人間による特徴量選択が行われていたが,検出率が高くなかった.現在は適切な特徴量を自動取得可能な深層学習が登場し,従来手法と比べて検出率の向上や複数種類の変状の矩形検出等が報告されている.しかし,複数種類の変状検出では,深層学習モデルによる検出結果が個別に報告されており,異なる深層学習モデルによる検出精度は比較されていない.そこで本研究は,変状5種類(ひび割れ,鉄筋露出,遊離石灰c,遊離石灰d,遊離石灰e)を検出対象として,7種類の深層学習モデル(Faster R-CNN, SSD300, SSD512, RetinaNet-50, RetinaNet-101, RetinaNet-152, YOLOv3)による検出精度を比較した.その結果,YOLOv3の検出精度が最も高いことを確認した.
著者
三宅 牧人 桑田 真臣 穴井 智 辰巳 佳弘 井上 剛志 千原 良友 平尾 佳彦 藤本 清秀
出版者
日本泌尿器内視鏡学会
雑誌
Japanese Journal of Endourology (ISSN:21861889)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.373-381, 2014 (Released:2014-11-07)
参考文献数
20

膀胱癌に対する5-アミノレブリン酸(5-ALA)を使用した蛍光膀胱鏡補助下経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)の診断精度および膀胱内再発予後の向上について検討した.膀胱癌96例を対象とし5-ALA溶液を経口または膀胱内投与し,白色光モードおよび赤色蛍光検出モードを切り替えながら膀胱内を観察した.採取した膀胱上皮組織の病理診断結果とモード別の画像所見から診断精度を評価した.白色光モードと比較して,蛍光検出モードでは特異度は低下したが(76.3% vs. 白色光84.6%),癌検出感度は向上した(84.5% vs. 白色光71.6%).蛍光膀胱鏡補助下TURBT症例と従来の白色光下TURBT症例をhistorical controlとして再発率を比較したが有意な差は認めなかった.蛍光膀胱鏡補助下TURBTは,診断薬5-ALAに起因する重篤な副作用もなく,癌の検出に有用で安全な手技であることが示されたが,治療成績については今後の多数例での前向き比較試験での評価も必要である.