著者
小髙 真美 高井 美智子 立森 久照 太刀川 弘和 眞﨑 直子 髙橋 あすみ 竹島 正
出版者
一般社団法人 日本自殺予防学会
雑誌
自殺予防と危機介入 (ISSN:18836046)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.36-46, 2022-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
22

【目的】自殺予防のためのゲートキーパー(GK)に最小限必要な知識とスキルを評価する簡便な指標を開発することとした。【方法】内閣府の『ゲートキーパー養成研修用テキスト』からデルファイ法を用いて抽出した、GKに求められる知識とスキルの習得度を評価する尺度を作成した。次にGK研修受講者に研修前後と一週間後に質問紙調査を実施した。質問紙は本研究で開発した尺度(GK知識・GKスキル)、『日本版自殺の知識尺度』『自殺予防におけるゲートキーパー自己効力感尺度(GKSES)』等で構成した。【結果】研修受講者109名から回答を得た。GKスキル得点とGKSES得点に有意な中程度の正の相関が認められた。研修後は研修前よりもGK知識・スキル得点の平均値が有意に高かった。GK知識・GKスキルの各合計得点と研修1週間後の各合計得点には有意な強い正の級内相関が認められた。【考察】本研究で開発した尺度の信頼性と妥当性が確認され、『自殺予防ゲートキーパー知識・スキル評価尺度(GKS)』と命名した。
著者
赤澤 正人 竹島 正 立森 久照 宇田 英典 野口 正行 澁谷 いづみ
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.41-51, 2014 (Released:2014-02-26)
参考文献数
12
被引用文献数
2

目的 保健所における「保健所及び市町村における精神保健福祉業務運営要領」(以下,運営要領)の運用実態を把握し,運営要領の改訂に向けた基礎資料とすることを目的とした。方法 全国の保健所495か所を対象に,平成24年に郵送による質問紙調査を実施した。保健所を県型,中核市型,指定都市型の 3 群に分類し,独自に作成した項目の単純集計,または平均値をもとに分析した。結果 回収数は308か所(62.2%)であった。保健所の型別の回収数は,県型239か所(63.9%),中核市型48か所(67.6%),指定都市型21か所(42.0%)であった。  精神保健福祉法と障害者自立支援法の担当課が別であったのは,県型99か所(41.4%),中核市型32か所(66.7%),指定都市型 8 か所(38.1%)であった。担当業務の概ね 4 分の 3 以上が精神保健福祉業務である職員数は,県型においてより少ない傾向がみられた。組織育成のための助言指導は,精神障害者家族会に対する割合が最も高く,県型205か所(85.7%),中核市型42か所(87.6%),指定都市型14か所(66.7%)であった。精神保健のグループワークは,中核市型において半数以上の27か所(56.3%)で実施されていたが,県型では75か所(31.4%),指定都市型で 8 か所(38.1%)であった。県型保健所における市町村への協力および連携の内容では,精神保健福祉相談•訪問指導(83.5%)が最も高く,次いで精神保健福祉の課題や業務の方向性の検討(44.6%),事例検討会(42.0%)であった。また,主たる領域•対象では,対応困難事例(84.8%)が最も高く,次いで社会復帰•地域移行(59.5%),自殺対策(44.2%)であった。結論 障害者自立支援法,自殺対策基本法の成立など,近年の法制度の整備とともに,保健所の精神保健福祉業務の実施体制と業務内容に変化が起こっている可能性が示唆された。運営要領改訂に当たっては,この点を考慮する必要があると考えられた。