著者
髙橋 あすみ 土田 毅 末木 新 伊藤 次郎
出版者
一般社団法人 日本自殺予防学会
雑誌
自殺予防と危機介入 (ISSN:18836046)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.67-74, 2020-09-30 (Released:2022-06-30)
参考文献数
27

本研究では自殺関連語を検索する者の援助要請行動を促しやすいインターネット広告の内容を検討した。広告は基本的内容に加えて、見出しに直接的メッセージ(相談してください)か共感的メッセージ(つらかったですね)のどちらかを含め、説明文に相談手段と支援者情報を組み合わせて8種類を作成した。6種類の自殺関連語を検索した結果として広告一つがランダムに表示されるようにGoogle広告を設定した。広告のリンク先ページからボタンをクリックすると電話相談窓口へ発信することができた。ボタンクリックの有無を従属変数、広告の要素を独立変数としたロジスティック回帰分析を行った結果、見出しは共感的メッセージよりも直接的メッセージの方が約1.6倍、見出しが共感的メッセージの場合には相談手段を説明に含んだ方が約1.2倍、ボタンクリックの割合が高くなった。すなわち、自殺の相談を促す広告には直接的メッセージと相談手段を含むことが望ましい。
著者
小髙 真美 高井 美智子 立森 久照 太刀川 弘和 眞﨑 直子 髙橋 あすみ 竹島 正
出版者
一般社団法人 日本自殺予防学会
雑誌
自殺予防と危機介入 (ISSN:18836046)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.36-46, 2022-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
22

【目的】自殺予防のためのゲートキーパー(GK)に最小限必要な知識とスキルを評価する簡便な指標を開発することとした。【方法】内閣府の『ゲートキーパー養成研修用テキスト』からデルファイ法を用いて抽出した、GKに求められる知識とスキルの習得度を評価する尺度を作成した。次にGK研修受講者に研修前後と一週間後に質問紙調査を実施した。質問紙は本研究で開発した尺度(GK知識・GKスキル)、『日本版自殺の知識尺度』『自殺予防におけるゲートキーパー自己効力感尺度(GKSES)』等で構成した。【結果】研修受講者109名から回答を得た。GKスキル得点とGKSES得点に有意な中程度の正の相関が認められた。研修後は研修前よりもGK知識・スキル得点の平均値が有意に高かった。GK知識・GKスキルの各合計得点と研修1週間後の各合計得点には有意な強い正の級内相関が認められた。【考察】本研究で開発した尺度の信頼性と妥当性が確認され、『自殺予防ゲートキーパー知識・スキル評価尺度(GKS)』と命名した。
著者
髙橋 あすみ 土田 毅 末木 新 伊藤 次郎 TAKAHASHI Asumi TSUCHIDA Takeshi SUEKI Hajime ITO Jiro
出版者
日本自殺予防学会
雑誌
自殺予防と危機介入 (ISSN:18836046)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.67-74, 2020-09

本研究では自殺関連語を検索する者の援助要請行動を促しやすいインターネット広告の内容を検討した。広告は基本的内容に加えて、見出しに直接的メッセージ(相談してください)か共感的メッセージ(つらかったですね)のどちらかを含め、説明文に相談手段と支援者情報を組み合わせて8種類を作成した。6種類の自殺関連語を検索した結果として広告一つがランダムに表示されるようにGoogle広告を設定した。広告のリンク先ページからボタンをクリックすると電話相談窓口へ発信することができた。ボタンクリックの有無を従属変数、広告の要素を独立変数としたロジスティック回帰分析を行った結果、見出しは共感的メッセージよりも直接的メッセージの方が約1.6 倍、見出しが共感的メッセージの場合には相談手段を説明に含んだ方が約1.2 倍、ボタンクリックの割合が高くなった。すなわち、自殺の相談を促す広告には直接的メッセージと相談手段を含むことが望ましい。