著者
立花 泰夫 関 亨 山脇 英範 鈴木 伸幸 木実谷 哲史 前沢 真理子 山田 哲也 清水 晃
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.40-47, 1985-04-30 (Released:2011-01-25)
参考文献数
17

小児期における無熱性全般けいれん発作71例の予後を検討し, 以下の結果を得た。1) 発作の消失したものは, 総数71例中50例 (70.4%), 正常な精神運動発達・精神発達を示したものは, 64例 (90.1%) であった。2) 経過中, 他の発作型を認めたものは, 10例 (14.1%) で, 内訳は, 単純部分発作3例, 複雑部分発作6例, 複雑部分発作+非定型欠神発作1例であった。3) 発作の予後に関与する因子として,i) 精神運動発達遅滞・精神遅滞の合併 (p<0.01)ii) 治療開始までの期間 (p<0.05)iii) 30分以上持続した無熱性全般けいれん発作の既往 (p<0.05) 3つが指摘された。