著者
竜岡 博
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.3(1987-HI-016), pp.1-9, 1988-01-18

日本文の入力用のキー配列は、さまざまなものが行なわれている上に、さらに次々に新しい提案が提出されるが、これを統一しようとすることは好ましくない。むしろ、どれもハンディキャップなしに、自由に市場で競争しうる環境を育成・維持・発展させることが望ましい。そのような環境に適合したキー配列として、機能入力、カーソル移動でも手のひらの移動をまったく伴わず、各キーの操作時間の平均値とバラツキが最小、各指の使用頻度が適切、逐次押しと両手交互押しを100%達成しているソフト化されたmykey配列について、その操作法の概略と特色とを述べる。
著者
竜岡 博 山田 尚勇
出版者
国立情報学研究所
雑誌
学術情報センター紀要 (ISSN:09135022)
巻号頁・発行日
no.8, pp.27-74, 1996-03

日本語のローマ字書きの国定の標準は1937年に布告され、現在の訓令式は1954年にそれを若干修訂したものである。その中から、当座許容されていたヘボン式つづりを削除したものが、国際標準化機構によって1989年に国際標準とされている。そうした国内的、国際的標準の存在にもかかわらず、現在もっともよく使われているのは、英語寄りのヘボン式つづりである。 標準の遵守の、そのように不満足な状況は、明らかに、実施に対する政府機関の無為によるものである。しかしそうした消極的な態度の奥には、訓令式の言語学的基礎に対する理解不足がある。 本稿の主目的は、標準の普及のために、幅広い人びとを対象として、使用の実状と照らし合わせつつ、訓令式つづりの理論的基礎のハイライトを提供するにある。