著者
竹内 あい
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

社会的ジレンマにおいてどのような制度を導入すれば人々はより協力するだろうか。本研究では特に罰則制度に着目し、その中でも罰を適用する際の基準が絶対的な罰則制度(協力度合いが基準に満たない人全員が罰される)と相対的な罰則制度(基準に満たない人の中で一番協力度の低い人が罰される)を比較した。その結果、相対的な罰則制度の方が絶対的な罰則制度よりも高いか等しい協力率を導くという点が、理論モデルの分析結果と実験室実験の観察結果の双方で確認された。
著者
竹内 あい
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本研究は、複数の主体の意思決定がそれぞれの結果に相互に影響を与えるゲーム的状況において、他者のとる行動を推論する人としない人でどのように行動が異なるのか、実験を用いて検証することを目的としている。しかし、これまでの実験仮説は、過去の実験結果に基づくものであり、理論によって導かれたものではなかった。帰納的ゲーム理論、とくにKaneko and Kline(2009)の理論では、相手の状況について解らない場合(以下、NRS)は、他者の取る行動の推論の有無が行動に影響を与えず、一方で相手の状況について解る場合(以下、RS)は、これが行動に影響を与える。そこで、本年度は帰納的ゲーム理論に基づき実験仮説を立て、それを検証する実験を行った。具体的には、Kaneko & Kline(2009)の理論を囚人のジレンマに応用した実験を行った。理論に基づくと、NRSの場合、あるいはRSで相手のことを考えない場合には人々は協力をせず、RSで相手のことを自分と同じように考える場合は協力が生じると予測される。そこで、3種類の囚人のジレンマについて、それぞれRSとNRSの場合を比較する実験を行った。実験の結果、理論の予測通りNRSよりもRSの方がより協力が頻繁に観察された。これにより、他者の状況に関する情報がないため相手の取る行動を推論することが出来ない場合と、それが可能な場合との比較を行うことができた。また、より詳細な分析により、帰納的ゲーム理論の前提に関する分析を行うこともできた。これにより、今後の帰納的ゲーム理論の発展に寄与することが出来たと思われる。
著者
竹内 あい
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2012-02

制度:新 ; 報告番号:甲3634号 ; 学位の種類:博士(経済学) ; 授与年月日:2012/2/29 ; 早大学位記番号:新5992