著者
金子 豊 竹内 真也 南 浩樹 和泉 吉則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.203, pp.57-62, 2008-09-04

DHT (Distributed Hash Tables)を使った構造型P2P (Peer-to-Peer)は,中央集権的な管理機構が無いためスケーラビリティがあり,障害耐性,拡張性にも優れるため,大規模な分散ストレージシステムの構築に有効な技術である.筆者らは放送局における番組素材ファイルの分散ストレージシステムへの利用を想定し,OneHop拡張方式を提案している.本稿ではこのOneHop拡張方式の実装方法について述べ,さらに,1,000から10,000ノード規模の実験による本実装による提案方式の性能評価結果について述べる.実験の結果,提案方式はサイト間ネットワークのパケット量の削減効果があること,公開するキー数に応じてキーの割り当て数を制御可能なことを確認した.また,提案方式はネットワーク障害による通知メッセージの輻輳を起こさず,スケーラビリティの点で有利であることが分かった.
著者
尾崎 則篤 竹内 真也 福島 武彦 小松 登志子
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.238-249, 2005-11-10 (Released:2011-12-05)
参考文献数
30
被引用文献数
1

大気粉塵中 (小径粉塵; 粒径7.0μm未満, 大径粉塵; 粒径7.0μm以上) および堆積粉塵中の13種類の多環芳香族炭化水素類 (PAHs) の含有量の減少特性を調査した. 方法としては, 大気粉塵および堆積粉塵を郊外地域で捕集, 捕集後にその場に数日おき減少量を測定することによって評価した. 測定は一年間継続的に行い減少速度係数kを求め, 各測定期間における, 全PAHsのkの中央値Kmedを用いて評価した. Kmedは最大で0.3d-1であった. Kmedは全体として小径粉塵の値が大きかった (0.1~0.3d-1). 季節性に関しては小径粉塵は夏に値が大きく冬に小さいという傾向が明確に得られたが, 大径, 堆積は必ずしも明確な傾向は得られなかった. 堆積粉塵に関しては予想に反して冬に値が高い傾向が得られた. PAHs含有量については, 小径粉塵については夏に低く冬に高いという季節性が見られ, 本観測で得られたKmedと強い相関を持った. このことから大気中のPAHsの濃度の季節変動は粉塵付着態PAHsの大気中での減少特性に強く依存していることが示唆された. 本研究の結果により大気中のPAHsの含有量およびそのパターンの変化には, その大気中での減少が強く影響を与えている可能性があることが示された.