著者
金子 豊 竹内 真也 南 浩樹 和泉 吉則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.203, pp.57-62, 2008-09-04

DHT (Distributed Hash Tables)を使った構造型P2P (Peer-to-Peer)は,中央集権的な管理機構が無いためスケーラビリティがあり,障害耐性,拡張性にも優れるため,大規模な分散ストレージシステムの構築に有効な技術である.筆者らは放送局における番組素材ファイルの分散ストレージシステムへの利用を想定し,OneHop拡張方式を提案している.本稿ではこのOneHop拡張方式の実装方法について述べ,さらに,1,000から10,000ノード規模の実験による本実装による提案方式の性能評価結果について述べる.実験の結果,提案方式はサイト間ネットワークのパケット量の削減効果があること,公開するキー数に応じてキーの割り当て数を制御可能なことを確認した.また,提案方式はネットワーク障害による通知メッセージの輻輳を起こさず,スケーラビリティの点で有利であることが分かった.
著者
二宮 佑一 大塚 吉道 和泉 吉則 合志 清一 岩舘 祐一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.468-477, 1988-05-20

ハイビジョン(高品位テレビジョン)の実用化を進めるにあたっては, 放送に用いる信号伝送方式の確立が必要である.NHKが開発した12GHz帯の放送衛星を用いてハイビジョン放送を実施する目的で開発したMUSE(Multiple Sub-Nyquist Sampling Encoding)は, 実際に運用中のBS-2b(放送衛星-2b号)を用いた実験をくり返し, その実用性が確かめられた.本論文ではハイビジョン衛星放送の要件を論じ, それに適合するMUSEの原理, 構成, 機器開発について述べる.MUSEは実用性を重視した固定サブサンプリング伝送方式であり, 極めて簡単なシステムではあるが, 高い画質を保ってハイビジョン画像を8.1MHzのベースバンドに帯域圧縮できる.MUSEの開発によりBS単一チャンネルで放送することが可能になった.
著者
合志 清一 苗村 昌秀 和泉 吉則 山口 孝一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.290-298, 1993-03-25

本論文は,MUSE方式の色信号処理に関するものである.動画領域の画質を改善するために色差信号をフレーム単位で処理する新手法を提案すると共に,コンピュータシミュレーションの結果について述べる.提案する手法を用いると色差信号の2次元伝送可能帯域が2倍となり画質が向上する.本手法は現行のエンコーダおよびデコーダに導入することも容易であり,現行のMUSEシステムとのコンパチビリティも保たれている.
著者
苗村 昌秀 和泉 吉則 合志 清一 山口 孝一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.15, no.46, pp.25-30, 1991-08-22
被引用文献数
2

In MUSE, pictures' resolution depends on the characteristics of filters such as pre-filters and interpolating filters, and moving pictures have lower resolution than still pictures. We are trying to improve moving pictures' resolution. Extension of the fiters' passband and implementaion of a vertical low-pass filter have been simulated with computer in order to investigate the improvement of moving pictures' resolution. As a result, we have found that we can improve moving pictures' resolution with little disturbance caused by aliasing and ringing.
著者
合志 清一 和泉 吉則 苗村 昌秀 福田 淳 岩館 祐一 山北 淳 山口 孝一 二宮 佑一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.1573-1584, 1994-12-20
被引用文献数
3

現在, 1日10時間の実用化試験放送が行われているハイビジョンは, その開発から7年が経過している.ハイビジョンの画質は, その審議過程からも明らかなように充分なレベルにある.しかし, 高画質化は時代の趨勢とともに, 常に求められる要求である.我々は, 現在までに動領域の解像度を向上させる手法について検討を進めてきた.今回, これらの検討結果を踏まえ, 静止領域の解像度を向上, 折り返しの低減等も考慮して, 高画質化エンコーダおよび高画質化デコーダを試作した.この新信号処理方式は, 現行処理方式と比較して画質が向上するだけでなく, 現行受信機とも良好な互換性を保っている.