著者
杉山 果穂 小笠原 啓介 永吉 実武
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2018年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.218-221, 2018 (Released:2018-05-31)

今日の日本国内において、コーヒーは嗜好品飲料として消費量を年々増加させている。全日本コーヒー協会 (2017)によると、日本国内の18~24歳の1人当たりのコーヒー飲用杯数は、一週間あたり5-6杯で、全年齢数の約11杯と比較すると少なく、この年代層にはコーヒーが比較的に親しまれていないのではないかと考えられる。そこで、本研究ではコーヒー飲料を含む20種類の嗜好品飲料から想起するイメージ感の相違を調査し、多次元尺度構成法を用いた認知マップを作成することにより、18~24歳の若者層が嗜好品飲料のなかでコーヒー飲料をどのように位置付けているのかを分析する。
著者
笠原 啓介 加野 彩香 大谷 智輝 阿部 遼
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.C-141_2-C-141_2, 2019

<p>【はじめに、目的】</p><p>日本では,1986 年,WHOのオタワ憲章で宣言されたヘルスプロモーションを踏まえて,健康日本21が制定され,セルフコントロールにより健康を増進させる方向性・目標が示された.健康はいかにして生成されるか,健康はいかにして回復され維持され増進されるかという視点に立った健康要因に着目した考え方が健康生成論であり,これはヘルスプロモーションの概念に合致している.健康生成論の核となる概念に首尾一貫感覚(sense of coherence:SOC)があり健康保持能力の基礎となり,これはストレス対処能力の指標とされる.日本では2015年にメンタルヘルス不調の未然防止のためのストレスチェックも開始され,メンタルヘルスへの関心も高まってきている.看護師を対象としたSOCの先行研究はみられるが,リハビリテーション(以下リハ)職種を対象とした先行研究は少ない.そこで今回,当院のリハ科職員のSOC,QOLの実態を把握し,今後の健康増進・メンタル不調の防止の対応を検討する目的で調査を実施した.</p><p>【方法】</p><p>リハ科職員30名(男性20名,女性10名,平均年齢30.8±6.4歳,経験年数7.2±4.4年)を対象とした.ストレス対処能力はSOC-13(13項目7件法),QOLはSF-8を使用し身体的QOL(以下PCS)と精神的QOL(以下MCS)を評価した.基本属性(喫煙,飲酒,趣味,運動習慣,食習慣,睡眠)およびSOCとQOLの関連を検討した.検定にはスピアマンの順位相関係数,マンホイットニーのU検定を使用し有意水準は5%とした.</p><p>【結果】</p><p>SOCは一般平均とされている54点~58点であったものが4名,53点以下が11名,59点以上が15名であった.PCSは各年代の標準値未満が14名,標準値以上が16名,MCSは標準値未満が18名,標準値以上が12名であった.SOCは年齢(rs=0.49),経験年数(rs=0.46),MCS(rs=0.37)に関連がみられた.</p><p>【結論】</p><p>SOCは年齢,経験年数に相関がみられた.これは経験年数が高い者は低い者に比べ,把握可能感(今後の状況がある程度予測できるという感覚),処理可能感(何とかなる,何とかやっていけるという感覚)が高いためと考える.戸ヶ里は,健康要因には中心的な役割を果たすSOCと汎抵抗資源(金銭,地位,社会的支援,能力等健康に関する資源)があり,汎抵抗資源が人生経験の質を育みSOC を形成すると述べている.今回の結果も地位などの汎抵抗資源は経験年数が高い者ほど高かったためSOCとの関連がみられたと考える.QOLとの関連については,Dragesetらによる研究同様に精神的QOLとの関連であった.ストレッサーが強くSOCが低いほど,健康の破綻,悪化をきたしやすく,SOCが高い人ほど,ストレッサーに上手く対応処理する能力があるとされており,SOCを上げることで精神的健康度を上げることが重要とされている.今回の結果より今後,職員の精神的健康度を含め健康的な心身の維持増進のために,SOCを高める取り組み(汎抵抗資源を動員し,ストレッサーの成功的対処を導き)などを行いたいと考える.</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究を実施するにあたり,ヘルシンキ宣言に基づき対象者の保護には十分留意し,対象者には文書にて十分に説明を行い同意を得て実施した.</p>