著者
杉山 昌秀 青木 悠 篠原 佳祐 宮田 智陽 関口 展貴
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.512, 2018 (Released:2018-12-18)
参考文献数
4

潰瘍性大腸炎に対するタクロリムスの治療は,早期に高トラフ値に保つことの重要性が示唆されている。我々は添付文書より多い初期投与量で開始し,連日TDMによる用量調節を行なった2症例について検討を行なった。2症例とも10~15ng/mLの高トラフ域を維持されることで症状の改善が認められた。高トラフ域に入ったのが開始後9日目であり,添付文書の投与法と同程度の日数を要した。
著者
三浦 篤史 篠原 佳祐 山本 亮 大塚 菜美 宮田 佳典 崎山 隼人
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.301-304, 2015 (Released:2015-06-30)
参考文献数
10
被引用文献数
2

舌がんでは,腫瘍増大による嚥下機能低下から流涎を招き,Quality of Life を低下させることがある.一般的に流涎の対応として,水分摂取量の減量,抗コリン薬の投与などが行われるが,充分に流涎を抑制できない場合がある.今回,ブチルスコポラミン臭化物の持続静注では流涎の改善が認められなかった舌がん患者に対して,院内製剤であるスコポラミン軟膏を耳介後部の乳様突起付近に貼付したところ流涎の緩和が認められた.有害事象としては口渇を認めたが,問題になるほどではなかった.また,局所の皮膚炎を生じることなく使用できた.スコポラミン軟膏は持続注射よりも簡便であり,舌がん患者の流涎対策の一つになり得る可能性が示唆された.