著者
村上 哲明 山本 薫 常木 静河 海老原 淳 堀 清鷹 篠原 渉
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

シダ植物は、胞子体と配偶体という二つの世代をもち、普通にシダ植物と見られているのは胞子体である。ところが、配偶体が無性芽等によって栄養繁殖し、配偶体のみで生育している例(「独立配偶体」と呼ばれる)が北米や欧州で知られていた。しかし、日本国内では、そもそも小型で単純な形態をもつシダの配偶体については、その分布がまだほとんどわかっていなかった。そこで本研究では、シダの配偶体を日本国内から広く採集し、それぞれのrbcL遺伝子(光合成に関わる遺伝子)の塩基配列を調べて、どの種の配偶体かを明らかにする。日本国内からは、まだ報告されたことがないシダの種の独立配偶体が次々に見つかることが期待される。
著者
篠原 渉
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

マレーシア・キナバル山のマレーホウビシダに含まれる、形態形質と細胞学的形質で区別できる4個のサイトタイプ(「2倍体・有性生殖・大型」、「3倍体・無配生殖・標準型」、「3倍体・無配生殖・大型」、「4倍体・無配生殖・大型」)間の生育環境の差異を明らかにした。さらに遺伝的解析により、「3倍体・無配生殖・大型」が「2倍体・有性生殖・大型」と「3倍体・無配生殖・小型」の交雑起源であることを明らかにした。