著者
小関 弘展 米倉 暁彦 野口 智恵子 中添 悠介 砂川 伸也 松村 海 渡部 果歩 水上 諭 尾﨑 誠
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.933-938, 2020-08-25

目的:非接触型前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)損傷の骨解剖学的リスク因子を抽出することである. 対象と方法:初回非接触型ACL損傷患者33例33膝(ACL群)と健常者26例26膝(対照群)の下肢荷重位X線像から下肢前額面アライメントと骨形態を計測した. 結果:ACL群では対照群よりも静的下肢アライメントが外反しており,脛骨近位内側角と大腿骨遠位外側角が影響していた. まとめ:荷重位下肢アライメントが外反するほど膝関節への外反トルクが強くなるため,ACLに応力が集中して靱帯損傷に至る危険性が高くなると考えられる.
著者
岡本 渉大 米倉 暁彦 岡崎 成弘 中添 悠介 千葉 恒 樋口 尚浩 尾﨑 誠
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.242-246, 2022-03-25 (Released:2022-05-06)
参考文献数
18

【はじめに】当院で経験したDFOにOWHTOを併用した症例(DLO群)とTCVOを併用した症例(DFOTO群)とで比較検討を行なったので報告する.【対象と方法】2015年から2019年までにDLOまたはDFOTOを施行した17例20膝を対象とし,術前および最終経過観察時のX線計測値,膝関節可動域,JOA score,KOOSを評価した.【結果】膝関節可動域は,DLO群がDFOTO群と比較して術前伸展制限が大きい傾向にあったが有意差はなかった.術後の伸展可動域はDLO群が-5.5°,DFOTO群が-1.6°であり,伸展制限はDLO群が有意に大きかった.両術式間で術前後のX線計測値と臨床スコアに有意差はなかった.DFOTO群において術後%MAとKOOSのPainやSymptomsとの間に相関係数がそれぞれ0.66および0.72の正の相関を,ΔJLCAとKOOSのSymptomsとの間に相関係数-0.75の負の相関を認めた.【結語】DLO群とDFOTO群とで臨床スコアやX線計測値に有意差はなかった.DFOTO群において術後%MAやΔJLCAと臨床スコアの間に相関を認めた.