著者
小関 弘展 米倉 暁彦 野口 智恵子 中添 悠介 砂川 伸也 松村 海 渡部 果歩 水上 諭 尾﨑 誠
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.933-938, 2020-08-25

目的:非接触型前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)損傷の骨解剖学的リスク因子を抽出することである. 対象と方法:初回非接触型ACL損傷患者33例33膝(ACL群)と健常者26例26膝(対照群)の下肢荷重位X線像から下肢前額面アライメントと骨形態を計測した. 結果:ACL群では対照群よりも静的下肢アライメントが外反しており,脛骨近位内側角と大腿骨遠位外側角が影響していた. まとめ:荷重位下肢アライメントが外反するほど膝関節への外反トルクが強くなるため,ACLに応力が集中して靱帯損傷に至る危険性が高くなると考えられる.
著者
小関 弘展 尾﨑 誠
出版者
日本関節病学会
雑誌
日本関節病学会誌 (ISSN:18832873)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.105-109, 2018 (Released:2019-07-31)
参考文献数
17

Objective: The present study aimed to determine the generation and behavior of airborne particles that could carry microorganisms around the area of the feet while walking in a bio-clean operating room.Methods: Four surgical staff members performed four walking patterns comprising combinations of the following: independently or as a group, and entering or exiting the operating room.Results: Fine particle visualization and laser particle counts revealed large numbers of airborne particles on shoes, the hems of gowns, and the floor regardless of the walking pattern. Numerous airborne particles were generated by followers who walked in groups and even more particles were brought to the level of the operating table by groups compared to solitary walkers.Conclusion: Surgical staff should be aware of transferring airborne particles from non-sterile areas to reduce the incidence of contamination by airborne bacteria in bio-clean rooms.
著者
岡本 渉大 米倉 暁彦 岡崎 成弘 中添 悠介 千葉 恒 樋口 尚浩 尾﨑 誠
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.242-246, 2022-03-25 (Released:2022-05-06)
参考文献数
18

【はじめに】当院で経験したDFOにOWHTOを併用した症例(DLO群)とTCVOを併用した症例(DFOTO群)とで比較検討を行なったので報告する.【対象と方法】2015年から2019年までにDLOまたはDFOTOを施行した17例20膝を対象とし,術前および最終経過観察時のX線計測値,膝関節可動域,JOA score,KOOSを評価した.【結果】膝関節可動域は,DLO群がDFOTO群と比較して術前伸展制限が大きい傾向にあったが有意差はなかった.術後の伸展可動域はDLO群が-5.5°,DFOTO群が-1.6°であり,伸展制限はDLO群が有意に大きかった.両術式間で術前後のX線計測値と臨床スコアに有意差はなかった.DFOTO群において術後%MAとKOOSのPainやSymptomsとの間に相関係数がそれぞれ0.66および0.72の正の相関を,ΔJLCAとKOOSのSymptomsとの間に相関係数-0.75の負の相関を認めた.【結語】DLO群とDFOTO群とで臨床スコアやX線計測値に有意差はなかった.DFOTO群において術後%MAやΔJLCAと臨床スコアの間に相関を認めた.
著者
富田 雅人 宮田 倫明 野村 賢太郎 尾﨑 誠
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.207-211, 2018-03-25 (Released:2018-05-21)
参考文献数
5
被引用文献数
1

[はじめに]比較的稀な手に発生した石灰化,骨化を伴う脂肪性腫瘍の症例を報告する.[症例]症例1.72歳,女性.1年程前に右手掌の1 cm大の腫瘤に気づき,その後右手背にも同様の腫瘤がある事に気づいた.腫瘤が徐々に増大したため近医を受診し当科紹介受診となった.単純X線にて右第3,4中手骨間に石灰化を伴う腫瘤をみとめた.切開生検を行った後に辺縁切除術を行った.病理診断は軟骨脂肪腫であった.症例2.74歳,男性.1年半程前に右母指,示指間の腫瘤に気づき近医を受診した.経過観察されていたが,腫瘤が増大したため当科紹介受診となった.単純X線にて右第1,2中手骨間に骨化を伴う腫瘤をみとめBPOPが疑われた.辺縁切除術を行い病理診断は骨化性脂肪腫であった.[考察]脂肪腫が軟骨化または骨化を伴う事は稀とされており,更にこのような腫瘍が四肢末梢に発生する事は稀とされている.文献的考察を加えて報告する.