著者
山本 圭介 松岡 庸洋 高尾 徹也 辻村 晃 奥山 明彦 久保 盾貴 細川 亙 角田 洋一 山口 誓司
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.100, no.3, pp.500-503, 2009 (Released:2012-02-01)
参考文献数
13

41歳, 男性.家族歴・往歴に特記すべきことなし.以前より陰茎腫大を自覚し, 排尿時痛も出現したため前医受診.陰茎の著明な腫大を認めた.MRIにて, 陰茎皮膚および皮下組織の著明な肥厚を認めた.自排尿困難のため, 尿道カテーテル留置の上, 当科紹介.病的な皮膚・皮下組織を切除し, 左大腿部より採取した分層皮弁を陰茎に巻きつけて植皮を行った.病理診断では悪性所見を認めず, 非特異的炎症性変化であった.植皮の生着は良好で, 痛みは減少し尿道カテーテル抜去後も排尿可能であった.術後6カ月現在, 明らかな再発を認めず, 排尿・性機能についても特に問題ない.象皮病はリンパ浮腫の終末像であり, フィラリア感染や外傷・治療・腫瘍・液状異物自己注入などが原因で生じる.自験例ではフィラリア感染は否定的であり, 特発性と考えられた.
著者
田港 見布江 冨田 興一 矢野 健二 細川 亙
出版者
一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
雑誌
Oncoplastic Breast Surgery (ISSN:24324647)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1-2, pp.12-18, 2018-09-28 (Released:2018-09-30)
参考文献数
47

人工物を用いた乳房再建では, 一度感染を生じると再手術や抜去につながる可能性も高く, さらには最終的な整容面にも影響を及ぼす可能性がある。SSI予防のための標準的な清潔操作, 術前処置を講じ, 愛護的手技に留意する必要がある。危険因子としては, 喫煙, 肥満, 糖尿病, 大きな乳房, 放射線照射, 術後化学療法, 高齢, 一次再建, 両側再建, 腋窩郭清, MRSA保菌, 高血圧・高脂血症, 免疫不全状態などが知られている。感染の危険度が高い患者群においては, 自家組織再建を含めた適切な術式の選択, 合併症を含めた十分なインフォームドコンセント, および術前計画が重要であると考えられる。また, 感染症例に対する洗浄入れ替えによる救済率は比較的高いが, その後の再感染や被膜拘縮なども懸念され, 救済後の慎重なフォローアップは必要不可欠である。