著者
冨田 亮三 細田 泰子 紙野 雪香
出版者
一般社団法人 日本看護学教育学会
雑誌
日本看護学教育学会誌 (ISSN:09167536)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.13-24, 2016-03-01 (Released:2022-04-01)
参考文献数
40
被引用文献数
2

〔目的〕初期キャリア形成期の看護師におけるピア・コーチングの相互関係の構造を明らかにする。〔方法〕卒後3年目の看護師17名に同期入職の看護師におけるピア・コーチングの経験について半構成的面接を行い、修正版 Grounded Theory Approachで分析を行った。〔結果〕初期キャリア形成期の看護師は対等な立場にある同期を精神的な支えとし、苦楽をともにすることで仲間意識が強まり、〈同期の存在をエネルギーにする〉ことで《互いが無くてはならない存在となる》。さらに、同期との関わりを通じて〈互恵的にさらなる可能性を探る〉ことで〈同期を介してケアを再構成する〉ようになり、《互いの体験やものの見方を実践で統合し成長の糧とする》。〔考察〕初期キャリア形成期の看護師は、同期と一緒に試行錯誤することで関係性が深まり、互いに多くの学びを得ることができる。そのため、同期と協働する場を設定することの重要性が示唆された。
著者
川北 敬美 細田 泰子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.196-203, 2022 (Released:2022-10-15)
参考文献数
26

目的:子育て期にある女性看護師(以下,子育て期看護師)におけるワーク・ファミリー・エンリッチメントの資源を明らかにする.方法:日本病院機能評価機構の認定病院に勤める未就学児を養育する女性看護師16名に半構成インタビューを実施し,質的記述的に分析をした.結果:子育て期看護師の仕事役割から得られる資源は,【ケア能力】【指導力】【効率性】【充実した感情】【社会性育成の環境】【経済的な安定】であり,家族役割から得られる資源は,【共感力】【受容力】【視野の広がり】【調整力】【ヘルプシーキング行動】【充実した感情】であった.結論:すべての子育て期看護師は,実感の差はあるものの,仕事の経験が家族役割に,母親等家族役割の経験が仕事役割の質を向上させる資源を獲得していた.それぞれの役割で得られる資源は,相互に影響し合っており,一つの資源を得ることが他の資源獲得のトリガーになることが示唆された.
著者
神戸 美輪子 星 和美 細田 泰子
出版者
畿央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は潜在看護師の復職教育プログラムを構築することである。調査(1)~(3)の結果から、復職研修は潜在看護師同士の交流を持てるようなプログラムとし、救命救急処置や安全の技術、観察とアセスメント能力を養えるような内容を扱うことが必要であると考えられた。構築した復職研修を評価するために、潜在看護師を対象として一般的な研修受講群(コントロール群)と教育プログラム受講群(実験群)の2群に分け、復職の意欲や自信、不安について比較検討を行ったところ、構築したプログラムの有効性が示唆された。