著者
細田 真道 坂本 寛 村上 友規 花籠 靖 梅内 誠 毛利 忠 塩原 寿子 小川 智明 宮本 勝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.3-15, 2020-01-15

活き活きとしたスマートシティを実現するためには,MaaS,イベント,施設などの運営者が多数の人の流れ(以下,人流)を把握することで,より最適な移動手段選択,混雑緩和,事故防止につなげることが重要である.本論文はこうした運営者が人流を把握することを目的とし利用者などの端末を測位する方法を提案,評価し有効性を示す.まず,従来測位方式および技術的課題を述べる.広く普及している人工衛星による測位方式は屋内測位が困難である.また,屋内測位できる方式であっても,端末が自身の測位をして結果をサーバなどに通知する必要があり,アプリケーションのインストールを要する.そこで,これらの課題を解決する新方式を提案する.提案方式は,通常の無線LAN端末が対象,端末にアプリケーション不要,端末が分散アンテナを用いたアクセスポイントに帰属するとアクセスポイントが端末を測位可能,歩行者動線取得可能という特徴を持つ.提案方式の1次元測位実験の結果,通常の無線LAN端末で,アプリケーション不要,歩行者動線取得,高精度測位(精度1m~5m)を実現した.最後に,フィールド実証としてこの提案システムを来場者が多数集まる展示会で動作させ,実フィールドでの有効性を明らかにした.展示会では来場者で混雑しても,提案方式のうちRTT(Round Trip Time)測位には大きな影響がなく,来場者から高い評価を得た.
著者
中山 彰 細田 真道 小林 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.256, pp.83-88, 2005-09-01
被引用文献数
3

われわれは, 豊かで充実した生活の基盤として, 積極的にコミュニケーションを仲介し, ユーザが話しやすい環境を作るメディアを志向している.そのようなメディア設計のためには, 円滑で心地よいコミュニケーションを阻害するさまざま要因を探る必要があると考えている.そういった要因を探るための第一歩として, 話が盛り上がる場であると考えられる「飲み会」「パーティ」の収録実験を行い, またその被験者の「性格テスト」「日本語能力テスト」を実施した.本稿では, その収録実験の概要, および予備的実験結果として, 各種テスト結果と各参加者の発話量の関連について報告する.
著者
細田 真道 坂本 寛 村上 友規 毛利 忠 中山 彰 小川 智明 宮本 勝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.946-958, 2021-03-15

本論文ではMaaS,イベント,施設等の運営者が人流把握を目的として来場者所持端末を測位する方法を提案する.我々はこの目的のため,広く普及している無線LAN端末を対象とし,端末にアプリケーション等のインストール不要,端末は分散アンテナを用いたアクセスポイントに帰属するだけでアクセスポイント側から1次元測位できる方法を以前提案した.本論文ではこれを2次元に拡張するとともに,より多くのアンテナや複数種の計測値を統合して位置推定計算する方法を提案し,有効性を確かめるための実験を行い測位結果および評価を示す.最後に,フィールド実証として来場者が多数集まる展示会で動作させ,実フィールドでの有効性を確かめる.
著者
細田 真道 神田 嘉男 大竹 孝幸 池田 敬 小林 直樹
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.17-27, 2007 (Released:2011-08-25)
参考文献数
21

本稿は,従来の電話網をVoIP網に置き換えた場合に,従来のFAX端末を利用した,みなし音声FAX通信で発生する問題について検討し,実験を行いその解決方法を提案する.まず,従来の電話網にはないVoIP網特有の性質について述べ,更にFAX通信の性質について述べる.次に,そこから導かれる三つの問題点,エコー問題,アナログ波形再生異常問題,けた間タイマ問題について検討を行うとともに,実験を行い事象を確かめる.最後に実験結果などから問題の解決方法を提案する.