著者
美宅 成樹
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.317-322, 1988-11-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
15

This paper describes the analysis of amino acid sequence as well as the denaturation experiment of soluble globular and membrane proteins. The two kinds of proteins were discriminated by amino acid sequence almost completely, using only the hydrophobicity. The denaturation measurements lead to the conclusion that the hydrophobic interaction determines the form of proteins (i.e. globular or membrane proteins), while the polar interactions play major role in the tertiary structure formation.
著者
美宅 成樹 澤田 隆介 辻 敏行 横山 泰範
出版者
日本膜学会
雑誌
(ISSN:03851036)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.42-49, 2010 (Released:2015-06-14)
被引用文献数
1
著者
美宅 成樹
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.255-262, 1995-04-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
12

私たち自身が生物なので,その構造の複雑さについては誰でもある程度は知っている.実際,生物は大変複雑で,深い階層構造を持っている.ここでは,生物を特徴づける三つの側面について述べ,その最も重要な階層構造について話をすすめる.そして,階層構造の例として,筋肉の構造,神経系の構造を簡単に紹介した後,生体高分子の構造形成と,細胞集団がつくる高次構造のメカニズムを議論する.
著者
崎山 則征 柯 閏聡 澤田 隆介 園山 正史 美宅 成樹
出版者
情報計算化学生物学会(CBI学会)
雑誌
Chem-Bio Informatics Journal (ISSN:13476297)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.69-78, 2007 (Released:2008-03-04)
参考文献数
16

ヒトの全タンパク質において電荷の自己相関関数の計算から、電荷の28残基周期性を持つタンパク質(PCP28)が最近発見された(Ke et al., Jpn. J. Appl. Phys. 2007)。PCP28の主な局在位置は核であった。核PCP28の生物学的意味を考察するために、我々が開発した予測システム(Sakiyama et al., CBIJ., 2007)を用いて、10種類の脊椎動物ゲノムと7種類の非脊椎真核生物から核PCP28を予測した。Swiss-Protデータベースによるとヒトの核PCP28の約90%は転写制御因子と考えられた。次に、脊椎動物ゲノムと非脊椎真核生物ゲノムに含まれる核PCP28の数を比較した。その結果、核PCP28は脊椎動物ゲノムにおいて顕著な増加を示すことが明らかになった。また、核以外のPCP28の割合は全ての真核生物でほぼ一定であった。これは、核PCP28が脊椎動物に特有のタンパク質である可能性を強く示唆している。
著者
美宅 成樹
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.333-337, 1993-05-05

この小特集では生物の設計図であるゲノムについての最近の研究について紹介する.1990年代に入って,ヒトゲノム計画を始めとして多くのゲノム解析計画が始まり,生物についての理解が飛躍的に進むことが期待されている.この新しい生物科学の流れの中では情報学や物理学も無縁ではなく,むしろ非常に重要な役割を果たすのではないかと思われている.しかし,物理学会誌の読者の中には,生物について詳しい人はあまり多くないと思われるので,まずここでは生物やゲノムの基礎事項,その物理的側面および解決すべき問題点などをまとめておきたい.あとで参照しやすいようにできるだけ箇条書きにすることにした.