著者
美添一樹
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.686-693, 2008-06-15

囲碁は,主なボードゲームの中でコンピュータの挑戦を拒み続けてきた唯一のゲームである.囲碁の難しさは良い評価関数を作ることが困難であるということに起因していた.しかし2006年にコンピュータ囲碁の世界にまったく新しいアルゴリズムがもたらされた.評価関数が不要という画期的な探索アルゴリズム,通称,モンテカルロ木探索と呼ばれるものである.登場から2年あまりで9路盤ではプロ棋士を破るほどの強さを獲得した.そのアルゴリズムの性質や理論的背景について述べ,今後の展望を探る.
著者
美添一樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.686-693, 2008-06-15
参考文献数
6
被引用文献数
11

囲碁は,主なボードゲームの中でコンピュータの挑戦を拒み続けてきた唯一のゲームである.囲碁の難しさは良い評価関数を作ることが困難であるということに起因していた.しかし2006年にコンピュータ囲碁の世界にまったく新しいアルゴリズムがもたらされた.評価関数が不要という画期的な探索アルゴリズム,通称,モンテカルロ木探索と呼ばれるものである.登場から2年あまりで9路盤ではプロ棋士を破るほどの強さを獲得した.そのアルゴリズムの性質や理論的背景について述べ,今後の展望を探る.
著者
美添一樹 今井 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.87, pp.63-70, 2005-09-05
被引用文献数
1

囲碁においては、盤面全体に対する、速く正確な評価関数を作ることは困難である。そのため、小目標ごとのサーチが、囲碁プログラムの間では広く用いられている。ここで問題になるのが小目標間の依存関係である。小目標の勝敗に影響を与える範囲を求めて依存関係を解決するアプローチが研究され始めている。relevancy zoneという概念が使われ始めているが、この求め方を改良することを目標としたアルゴリズムを提案する。二つの小目標についてそのような範囲が重なっていれば、そこが両利きの候補となる。It is difficult to make a fast and accurate evaluation function for the whole board in the Game of Go.Therefore sub-goal directed search is used widely among Go playing programs. One problem of sub-goal directed search is dependencies between sub-goals. There are several researches which aim to resolve the dependencies by obtaining the area which involves with the result of sub-goals. An idea called relevancy zone is being used in some researches. In this paper, we introduce an algorithm which search for an area which would improve relevancy zone.The intersection of two such areas will be the candidate for double threat.
著者
美添一樹 松本 尚 平木 敬
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.72, pp.1-6, 1998-08-06
参考文献数
10
被引用文献数
1

命令レベルより大きい粒度のブロックにプログラムを分割し、各ブロックを投機実行することによりブロックレベル並列性を得るハードウェアについて、いくつかの論文で提案がなされている。我々は投機実行の手法を適用したJava仮想マシンを共有メモリマシン上で実装した。投機実行の対象はループに限定した。単純なループについて実験を行なった結果、インタプリタJava仮想マシンでも10000命令以上のループであれば高速化が可能であった。There have been several proposals about hardware speculative executions, in a larger granularity than instruction level parallelism, by partitioning the target program into blocks. We have applied speculative execution onto Java Virtual Machine. We implemented it on a shared memory machine. The target for speculative execution is limited to loops. We measured speedups for simple loops and found that it is possible to gain speedups for loops which contains more than 10000 instructions by an interpreter Java Virtual Machine.